【解説】公認心理師のブループリントとは何なのかお答えします

【解説】公認心理師のブループリントとは何なのかお答えします

公認心理師のブループリントについて知りたい人も多いのではないでしょうか?

ブループリントを活用することで、効率的に試験勉強することができます。

この記事を読むことで公認心理師試験のブループリントとは何なのか、ブループリントの活用方法が分かります。

公認心理師試験出題基準、ブループリントとは?

公認心理師試験出題基準、ブループリントとは?

まず、公認心理師試験出題基準、ブループリントについて解説します。

公認心理師試験出題基準、ブループリントとは

2021年4月16日に日本心理研修センターが令和3年版公認心理師試験出題基準・ブループリントを発表しました。

この中で公認心理師出題基準とブループリントについて次のように記載されています。

1 公認心理師試験出題基準とは

(1) 定義

公認心理師試験出題基準は、公認心理師試験の範囲とレベルを項目によって整理したものであり、試験委員が出題に際して準拠する基準である。

(2) 基本的考え方

全体を通じて、公認心理師としての業務を行うために必要な知識及び技能の到達度を確認することに主眼を置く。

2 ブループリントとは

ブループリント(公認心理師試験設計表)は、公認心理師試験出題基準の各大項目の出題割合を示したものである。これに基づき、心理職に対するニーズが高まっている近年の状況を踏まえ、社会変化に伴う国民の心の健康の保持増進に必要な分野を含めた幅広い分野から出題するほか、頻度や緊急性の高い分野についても優先的に出題することになる。

日本心理研修センター:令和3年版公認心理師試験出題基準・ブループリント

よく出題基準とブループリントを同一のものと思っている人がいますが、正確には別物です。

そして、公認心理師試験はこの出題基準の項目について、ブループリントの出題割合に沿って実施されます。

なんか「釣り」に似ていますね。

どんなに釣りの上手い名人がいたとしても、魚が一匹もいないところで釣りしたら釣れません(^^;

公認心理師出題基準の利用法

公認心理師試験出題基準の利用法についても書かれています。

公認心理師試験出題基準の利用法

はじめに

 公認心理師試験は、公認心理師法第5条に基づき「公認心理師として必要な知識及び技 能」について行われる。

 また、同法第2条では「保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する 専門的知識及び技術をもって」公認心理師の業務を行うこととされている。公認心理師の業務は第1号から第4号に示されており、

1 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。

2 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

3 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

4 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。

を業とする者であるとされている。

 このような公認心理師として業務を行うために必要な基本的知識及び技能を具体的な項 目で示したものが、公認心理師試験出題基準・ブループリントである。公認心理師試験委員会は、公認心理師試験の妥当な内容、範囲及び適切なレベルを確保するため、この基準に拠って出題する。

 したがって、公認心理師試験出題基準は、大学及び大学院の教育内容すべてを網羅する ものではなく、また、これらの教育の在り方を拘束するものでもない。

日本心理研修センター:令和3年版公認心理師試験出題基準・ブループリント

利用方法

 利用者は、以下の各項に従う。

 なお、各項目は、公認心理師試験出題基準という観点から配列されているため、必ずしも学問的な分類体系と一致しない点があるほか、各項目間で内容が重複することがある。 また、医学用語については、日本医学会医学用語辞典 Web 版の内容を考慮して定めており、心理学に関する用語については、複数の用語辞典で共通していることを考慮して定めている。

1 大・中・小項目

 (1) 大項目は、「公認心理師カリキュラム等検討会」の報告書(平成 29 年5月 31 日)記載の到達目標の項目である。ただし、一部については、内容を明確にする観点から改変している。

 (2) 中項目は、同様に、「公認心理師カリキュラム等検討会」の報告書記載の到達目標の 下位項目である。ただし、一部については、内容を明確にする観点から改変している。

 (3) 小項目は、中項目の内容に属する概念及び用語の例を具体的に記載し、可能な限り出題テーマを明確化している。他方、出題は、この出題基準に記載された事項に限定さ れるものではない。例えば、法律、政省令等に規定される事項、厚生労働白書などの公刊物に記載されている事項などからも出題される。

2 ブループリント(公認心理師試験設計表)

 項目ごとに出題割合を規定したものである。

 出題割合の記載がない中項目以下の事項については、試験委員会の判断で出題する。

日本心理研修センター:令和3年版公認心理師試験出題基準・ブループリント

つまり、出題基準の大項目が公認心理師のカリキュラムの到達目標です。

大項目を細かく分けたものが中項目で、中項目をさらに具体的に明確化したものが小項目になります。

ブループリント(公認心理師試験設計表)

到達目標(目安)ごとの出題割合を規定したブループリント(公認心理師試験設計表)は、下記の通りです。

令和3年版ブループリント(公認心理師試験設計表)

公認心理師試験出題基準では、ブループリントの次のページから出題基準の大項目、中項目、小項目(キーワードの例)が記載されています。

公認心理師試験出題基準、ブループリントの活用方法

公認心理師試験出題基準、ブループリントの活用方法

公認心理師試験出題基準、ブループリントの活用方法について解説します。

第4回公認心理師試験出題基準、ブループリントの内容については第4回公認心理師試験のブループリント【第3回との違いも一目瞭然】をご覧ください。

公認心理師試験出題基準の小項目に沿って勉強する

当たり前ですが、出題基準の小項目(キーワードの例)に沿って勉強することが重要です。

出題基準の小項目(キーワードの例)を見て、そのキーワードについての説明が頭に浮かんでくればOKです。

これは感覚的なことですが、キーワードを見た瞬間になんとなくそのキーワードが大丈夫かどうかがわかると思います。

逆に見たことがない、あるいは見たことはあるけど何も頭に浮かんでこない、大丈夫という感覚がない場合は理解していないか知識が定着していない状態です。

そのキーワードについては、勉強する必要があります。

勉強方法ついては【簡単】公認心理師の勉強方法は3ステップで完成する件で解説しています。

公認心理師試験出題基準の小項目を勉強するかどうかの判断基準にする

公認心理師試験出題基準の小項目のキーワードは勉強しようかどうか迷ったときの判断基準にも使えます。

具体的にはキーワードが出題基準の小項目に載っていれば勉強する、載っていなければ勉強しないという使い方ができます。

ブループリントを勉強する際の優先順位の参考にする

さらに、ブループリントの出題割合から勉強の優先順位を考えることもできます。

どうしても苦手で出題割合も小さいもの(約2%)を捨てるという選択もありかと思います(^^;

一方、矛盾するようですがあまりブループリントの出題割合に頼り過ぎない方が良いです。

理由は、ケース問題をはじめ複数の大項目(中項目、小項目)にまたがるような問題があるからです。

その際にどこに分類されるかは、出題者次第ではないでしょうか?

そのため、頭の片隅にブループリントの出題割合を入れつつ、出題基準の小項目を抑えることが重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

公認心理師のブループリントとは何なのか、さらにブループリントの活用方法を説明しました。

まとめると

公認心理師試験出題基準、ブループリントとは?

  • 公認心理師試験出題基準は、公認心理師試験の範囲とレベルを項目によって整理したものであり、試験委員が出題に際して準拠する基準
  • ブループリント(公認心理師試験設計表)は、公認心理師試験出題基準の各大項目の出題割合を示したもの

公認心理師試験出題基準、ブループリントの活用方法

  • 公認心理師試験出題基準の小項目に沿って勉強する
  • 公認心理師試験出題基準の小項目を勉強するかどうかの判断基準にする
  • ブループリントを勉強する際の優先順位の参考にする

ブループリントを上手く活用して、効率よく勉強したいですね。

公認心理師試験合格者(未登録)・臨床心理士。 社会人から一念発起して第一種臨床心理士指定大学院を受験し、臨床心理士になる。社会人から臨床心理士試験に合格した経験を活かして公認心理師試験対策講座を開講。自身も第1回公認心理師試験に合格。その後、臨床心理士試験模擬面接、臨床心理士試験論述対策、臨床心理士試験対策講座を開講し、公認心理師・臨床心理士を目指す人の支援を行っています。