公認心理師試験がどんな試験なのか知りたい人も多いのではないでしょうか?
また、試験の今後について知りたい人もいるでしょう。
この記事を読むことで公認心理師試験がどんな試験なのか、さらに試験の今後がどうなっていくのかが分かります。
目次
公認心理師試験

試験日
第1回公認心理師試験は、2018年9月に行われました。
第2回公認心理師試験は、2019年8月に行われました。
第3回公認心理師試験は2020年6月に行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でスケジュールが見直されます(「今後の公認心理師試験のスケジュール(予定)」)。
第4回公認心理師試験も新型コロナウイルスの影響でスケジュールが見直され、2021年9月に行われました。
そして、第5回公認心理師試験は2022年7月に実施予定です。
ちなみに、現任者(Gルート)が公認心理師試験を受験できるのは第5回公認心理師試験までです。
現任者(Gルート)など受験資格については【完全】公認心理師の受験資格8パターン全てを分かりやすく解説で解説しています。
問題数、出題方式
試験問題は全154問、試験時間は4時間、全問マークシート方式です。
ただし、試験は午前と午後に分かれます。
つまり、午前に77問を2時間で解き、お昼休憩を挟んで、再び午後に77問を2時間で解く試験です。
そして午前、午後ともに77問中一般問題が58問、事例問題が19問出題されます。
公認心理師試験
【午前】問題数77問:一般問題58問、事例問題19問
【午後】問題数77問:一般問題58問、事例問題19問
午前と午後で全く同じ問題数の一般問題と事例問題を解くことになります。
配点
配点は、一般問題は1問1点、事例問題は1問3点です。
【午前問題】については、次の通りです。
一般問題:58問 × 1点 = 58点
事例問題:19問 × 3点 = 57点
【問題数】77問、【合計得点】115点
【午後問題】については、次の通りです。
一般問題:58問 × 1点 = 58点
事例問題:19問 × 3点 = 57点
【問題数】77問、【合計得点】115点
配点についても、午前と午後で全く同じになります。
合格基準
第1回試験から第3回試験までの合格基準は、総得点230点満点中138点(60%)以上で合格でした。
しかし、第4回試験では総得点230点満点中143点以上で合格に変更されました。
公認心理師試験の合格基準については【判明】公認心理師試験の合格基準は正答率60%以上というのは間違いで解説しています。
合格率
第1回公認心理師試験の合格率は、79.6%です。
第1回公認心理師試験の合格率については【予測】公認心理師の合格率は下がり続けるという話で解説しています。
第2回公認心理師試験の合格率は、46.4%です。
第2回公認心理師試験の合格率については【2019年】第2回公認心理師試験の合格率から分かることで解説しています。
一気に合格率が下がっていますね。
第3回公認心理師試験の合格率は、53.4%です。
第3回公認心理師試験の合格率については【2020年】第3回公認心理師試験の合格率と今後を予測してみたで解説しています。
第3回公認心理師試験で合格率は若干持ち直しています。
第4回公認心理師試験の合格率は、58.6%です。
第4回公認心理師試験の合格率については【衝撃】第4回公認心理師試験の合格率が明らかに【第5回も予測】で解説しています。
第3回試験に比べ第4回試験で合格率は上がりましたが、合格基準が変更されました。
公認心理師試験は今後どうなっていくのか?

ここからは、公認心理師試験が今後どうなっていくのか考えてみます。
配点が変更される
公認心理師試験の配点は一般問題が1問1点、事例問題が1問3点となっていて、この配点には問題があると考えています。
なぜなら、事例問題が全問正解できれば、一般問題の正答率は20%程度しかなくても合格できてしまうからです。
もし午前、午後ともに事例問題に全問正解した場合、下記のように一般問題は午前、午後ともに12問の正解で合格することができます。
公認心理師試験の【午前】
一般問題:12問 × 1点 = 12点
事例問題:19問 × 3点 = 57点
【正答数】31問、【合計得点】 69点
公認心理師試験の【午後】
一般問題:12問 × 1点 = 12点
事例問題:19問 × 3点 = 57点
【正答数】31問、【合計得点】 69点
これらをまとめると次のようになります。
【午前・午後】の合計
一般問題:24問 × 1点 = 24点
事例問題:38問 × 3点 = 114点
【正答数】62問、【合計得点】138点
一般問題は午前、午後を合わせて116問あります。
116問中たったの24問正答すれば合格できることになります。
この場合の正答率は、たったの20.7%です。
公認心理師試験は、第5回試験まで移行措置が取られています。
現任者(Gルート)を救済するための措置として、このような配点にしているかもしれません。
現任者(Gルート)など受験資格については【完全】公認心理師の受験資格8パターン全てを分かりやすく解説で解説しています。
しかし、心理学の一般問題を20%程度しか取れない人が国家資格である公認心理師試験に合格するのはいかがなものかと思います。
実際どうなるのかは分かりませんが、配点は変更した方が良いと考えています。
公認心理師試験の配点変更については【判明】公認心理師試験の合格基準は正答率60%以上というのは間違いで解説しています。
基準となる正答率が設定される
公認心理師は公認心理師の制度が施行される前に、厚生労働省の公認心理師カリキュラム等検討会でさまざまな検討がなされています。
そして、その内容が公認心理師カリキュラム等検討会報告書にまとめられています。
その中で、公認心理師試験の合格基準について下記の記述があります。
全体の正答率は60%程度以上を基準とする。基本的能力を主題とする問題の正答率は、試験の実施状況を踏まえ、将来的に基準となる正答率を定める
公認心理師カリキュラム等検討会報告書
この文章の基本的能力を主題とする問題が何を指すのかは分かりませんが、試験の実施状況を踏まえ、将来的に基準となる正答率を定めることが明記されています。
そして、第4回公認心理師試験で合格基準が下記のように変更されました。

第1回試験から第3回試験までの138点以上から第4回試験では143点以上に変更されました。
合格基準については【判明】公認心理師試験の合格基準は正答率60%以上というのは間違いで解説しています。
試験内容が変更される
第1回公認心理師試験では、詳細な内容を問われるような問題がありませんでした。
例えば、事例問題でロールシャッハテストのスコアやWAISの結果からクライエントの状態を読み取らせるような問題です。
このことについては【感想】第1回公認心理師試験を受験して思ったことで解説しています。
公認心理師として幅広い知識とスキルを求めているように感じましたが、一方で個々についてはあまり深くは求めていない印象を受けました。
しかし、第1回公認心理師試験(追加試験)からかなり突っ込んだ内容を問う問題が増えました。
正直、今まで聞いたことがないような理論なども出題されていて一気に難易度が高くなりました。
試験の難易度が上がっているのことは、合格率にも表れています。
これまで追加試験も含め5回の試験が行われたのですが、すべて問題は文章のみです。
第1回公認心理師試験に比べ事例問題の中でWAISの4つの結果(IQ)が示されたりはしましたが、図を使ったような出題はありません。
しかし、臨床心理士試験のように今後は図表を使用した問題も増えていくのではないかと考えています。
今後も注目していきたいです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
公認心理師試験と試験の今後について解説しました。
まとめると
公認心理師試験
- 問題数:154問(午前77問、午後77問)
- 午前問題:一般問題58問、事例問題19問
- 午後問題:一般問題58問、事例問題19問
- 配点:一般問題1問1点、事例問題1問3点
- 合格基準:60%以上(第1回から第3回までは138点以上、第4回は143点以上)
- 合格率58.6%(第4回)
公認心理師試験の今後
- 配点が変更される
- 基準となる正答率が設定される
- 試験内容が変更される
移行措置がある第5回試験までは合格基準以外の変更はなく試験は行われると考えています。