【完全】公認心理師の受験資格8パターン全てを分かりやすく解説

【完全】公認心理師の受験資格8パターン全てを分かりやすく解説

自分に公認心理師の受験資格があるか知りたい人も多いのではないでしょうか?

公認心理師の受験資格については受験資格の特例もあり、正直分かりにくいです。

この記事を読むことで公認心理師の受験資格について理解でき、自分に受験資格があるのかが分かります。

公認心理師の受験資格

公認心理師の受験資格

上図の通り公認心理師試験では受験区分をA、B、C、D1、D2、E、F、Gに分けています。

まず全体像として、公認心理師の受験資格は、本来の受験資格と経過措置の2つから構成されています。

本来の受験資格とは区分A、区分B、区分Cを指します。

経過措置とは区分D1、区分D2、区分E、区分F、区分Gを指します。

それぞれについて解説していきます。

まず、本来の受験資格から解説していきます。

区分A、B、Cの説明を簡単にすると下図のようになります。

公認心理師の受験資格ABC

区分A

区分Aは、大学と大学院でそれぞれ必要な科目を履修することになります。

現在、公認心理師試験は経過措置中ですが経過措置終了後のメインルートになるのが区分Aです。

区分Aではじめて受験資格を取得できるのは、2018年4月に大学に入学した人です。

そして、公認心理師試験を受験できるのは2024年になります。

大学において施行規則で定める科目は、次の通りです。

大学において施行規則で定める科目

  1. 公認心理師の職責
  2. 心理学概論
  3. 臨床心理学概論
  4. 心理学研究
  5. 心理学統計法
  6. 心理学実験
  7. 知覚・認知心理学
  8. 学習・言語心理学
  9. 感情・人格心理学
  10. 神経・生理心理学
  11. 社会・集団・家族心理学
  12. 発達心理学
  13. 障害者・障害児心理学
  14. 心理的アセスメント
  15. 心理学的支援法
  16. 健康・医療心理学
  17. 福祉心理学
  18. 教育・学校心理学
  19. 司法・犯罪心理学
  20. 産業・組織心理学
  21. 人体の構造と機能及び疾病
  22. 精神疾患とその治療
  23. 関係行政論
  24. 心理演習
  25. 心理実習(実習の時間が80時間以上のものに限る)

大学院において施行規則で定める科目は、次の通りです。

大学院において施行規則で定める科目

  1. 保険医療分野に関する理論と支援の展開
  2. 福祉分野に関する理論と支援の展開
  3. 教育分野に関する理論と支援の展開
  4. 司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開
  5. 産業・労働分野に関する理論と支援の展開
  6. 心理的アセスメントに関する理論と支援の展開
  7. 心理支援に関する理論と実践
  8. 家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践
  9. 心の健康教育に関する理論と実践
  10. 心理実践実習(実習の時間が450時間以上のものに限る)

区分Aは、経過措置後の公認心理師のメインルートで大学及び大学院で施行規則に沿った科目を履修するルートです。

区分B

区分Bは、大学での必要な科目の履修後、実務経験2年が必要です。

現在、公認心理師試験は経過措置中ですが経過措置終了後のサブルートになると思います。

区分Bではじめて受験資格を取得できるのは、2018年4月に大学に入学した人です。

そして、公認心理師試験を受験できるのは2024年になります。

大学において施行規則で定める科目というのは、区分Aと同じです。

区分Bで受験する方法として、大学ではなく専門学校でも受験資格を得られるようです。

例えば「東京福祉専門学校」では公認心理師を目指すコースがあるようです。

また、大学卒業後の施行規則で定める施設で施行規則で定める期間以上の実務経験とは次の通りです。

施行規則で定める施設において施行規則で定める期間以上の実務経験

  • 文部科学省令、厚生労働省令で定める26施設、ただし、文部科学大臣及び厚生労働大臣が認めた施設に限る
  • 期間は2年以上

文部科学大臣及び厚生労働大臣が認めた施設に限る点に注意してください。

2021年2月28日時点では9施設が認められています。

区分C

区分Cは区分A、区分Bと同等の知識及び技能を有すると認定された人が対象です。

具体的には、外国の大学において心理に関する科目を修めて卒業し、かつ、外国の大学院において心理に関する科目を修めてその課程を修了した人が対象です。

区分Cについては厚生労働省に「公認心理師法第7条第3号に基づく受験資格認定」が掲載されていますので、そちらをご覧ください。

公認心理師の受験資格(特例措置)

公認心理師の受験資格

公認心理師の受験資格には、経過措置として特例措置が設けられています。

特例措置とは、上図の区分D1、区分D2、区分E、区分F、区分Gを指します。

区分D1、D2、E、F、Gの説明を簡単にすると下図のようになります。

公認心理師の受験資格(特例措置)赤枠なし

区分D1

区分D1は、平成29年9月15日より前に大学院を修了した人が対象です。

区分D1の人はすでに大学院を修了しているので、大学院で履修した科目が大学院において施行規則で定める科目として読替えられれば受験資格が認められます。

大学院において施行規則で定める科目は、次の通りです。

大学院において施行規則で定める科目

  1. 保健医療分野に関する理論と支援の展開
  2. 福祉分野に関する理論と支援の展開
  3. 教育分野に関する理論と支援の展開
  4. 司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開
  5. 産業・労働分野に関する理論と支援の展開
  6. 心理的アセスメントに関する理論と実践
  7. 心理支援に関する理論と実践
  8. 家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践
  9. 心の健康教育に関する理論と実践
  10. 心理実践実習(実習の時間が450時間以上のものに限る)

区分D1では次の(1)~(4)の条件を満たせば公認心理師の受験資格を取得することができます。

(1):保険医療分野に関する理論と支援の展開

(2):次の科目のうち2科目以上

   ア 福祉分野に関する理論と支援の展開

   イ 教育分野に関する理論と支援の展開

   ウ 司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開

   エ 産業・労働分野に関する理論と支援の展開

(3):次の科目のうち2科目以上

   ア 心理的アセスメントに関する理論と実践

   イ 心理支援に関する理論と実践

   ウ 家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践

   エ 心の健康教育に関する理論と実践

(4):心理実践実習

   ただし、実習する施設の分野および時間数は問わない

大学院で履修した科目が、この(1)~(4)の条件を満たすかどうかは出身大学院に確認する必要があります。

大学院の科目読替えが(1)~(4)を満たせば、公認心理試験を受験することができます。

また、区分D1は経過措置となっていますが、受験資格に期限はありません。

区分D2

区分D2は、平成29年9月15日より前に大学院に入学した人が対象です。

区分D2の人は大学院に入学しているので、大学院で履修した科目が大学院において施行規則で定める科目として読替えられれば受験資格が認められます。

大学院で履修した科目が先程の(1)~(4)の条件を満たすかどうかは出身大学院に確認する必要があります。

大学院の科目読替えが(1)~(4)を満たせば、公認心理試験を受験することができます。

また、区分D2は経過措置となっていますが、受験資格に期限はありません。

区分E

区分Eは、平成29年9月15日より前に大学に入学し、大学を卒業したか今も在学中の人が大学院を修了した場合に対象です。

区分Eではじめて受験資格を取得できるのは、2018年4月に大学院に入学する人です。

そして、公認心理師試験を受験できるのは2020年になります。

大学において施行規則で定める項目は、次の通りです。

大学において施行規則で定める科目

  1. 公認心理師の職責
  2. 心理学概論
  3. 臨床心理学概論
  4. 心理学研究
  5. 心理学統計法
  6. 心理学実験
  7. 知覚・認知心理学
  8. 学習・言語心理学
  9. 感情・人格心理学
  10. 神経・生理心理学
  11. 社会・集団・家族心理学
  12. 発達心理学
  13. 障害者・障害児心理学
  14. 心理的アセスメント
  15. 心理学的支援法
  16. 健康・医療心理学
  17. 福祉心理学
  18. 教育・学校心理学
  19. 司法・犯罪心理学
  20. 産業・組織心理学
  21. 人体の構造と機能及び疾病
  22. 精神疾患とその治療
  23. 関係行政論
  24. 心理演習
  25. 心理実習(実習の時間が80時間以上のものに限る)

区分Eでは次の(1)~(5)の条件を満たせば公認心理師の受験資格を取得することができます。

(1):次に掲げる科目のうち3科目

   イ 心理学概論

   ロ 臨床心理学概論

   ハ 心理学研究法

   二 心理学統計法

   ホ 心理学実験

(2):次に掲げる科目のうち4科目

   イ 知覚・認知心理学

   ロ 学習・言語心理学

   ハ 感情・人格心理学

   二 神経・生理心理学

   ホ 社会・集団・家族心理学

   ヘ 発達心理学

   ト 障害者・障害児心理学

(3):次に掲げる科目のうち2科目

   イ 心理的アセスメント

   ロ 心理学的支援法

   ハ 心理演習

   二 心理実習

(4):次に掲げる科目のうち2科目

   イ 健康・医療心理学

   ロ 福祉心理学

   ハ 教育・学校心理学

   二 司法・犯罪心理学

   ホ 産業・組織心理学

(5):次に掲げる科目((4)の2科目のうち1科目が(4)イの健康・医療心理学の場合にあっては、ロ又はハに掲げる科目)のうち1科目

   イ 健康・医療心理学

   ロ 人体の構造と機能及び疾病

   ハ 精神疾患とその治療

自分が履修した科目が(1)~(5)の条件を満たすかどうかは出身大学に確認する必要があります。

大学の科目読替えが(1)~(5)を満たし、大学院において施行規則で定める科目を履修すれば公認心理師試験を受験することができます。

また、区分Eは経過措置となっていますが、受験資格に期限はありません。

区分F

区分Fは、区分Eと同じく大学での読替えが認められ、区分Bと同じく施行規則で定める施設で施行規則で定める期間以上の実務経験を満たした人が対象です。

区分Eではじめて受験資格を取得できるのは、2018年4月から施行規則で定める施設で働く人です。

そして、公認心理師試験を受験できるのは2020年になります。

また、区分Fは経過措置となっていますが、受験資格に期限はありません。

区分G

区分Gは、現任者が対象です。

具体的には、5年以上の実務経験がある人は現任者講習会を受講することで受験資格を取得することができます。

しかし、これだけだと次のような疑問が出てくると思います。

働いた場所はどこでも良いのか?

業務内容はどんな内容でも良いのか?

5年の算出方法はどうするのか?

具体的には文部科学省や厚生労働省で定める施設において、公認心理師の(1)から(3)の業務を5年以上行っていることが条件になります。

ポイントは、次の3つです。

現任者かどうかのポイント

  • 文部科学省や厚生労働省で定める施設に勤務
  • 公認心理師の(1)から(3)の業務内容
  • 実務経験5年

文部科学省や厚生労働省で定める施設は、次の通りです。

文部科学省や厚生労働省で定める施設

  1. 学校
  2. 裁判所
  3. 保健所又は市町村保健センター
  4. 障害児通所支援事業若しくは障害児相談支援事業を行う施設、児童福祉施設又は児童相談所
  5. 病院又は診療所
  6. 精神保健福祉センター
  7. 救護施設又は更生施設
  8. 福祉に関する事務所又は市町村社会福祉協議会
  9. 婦人相談所又は婦人保護施設
  10. 知的障害者更生相談所
  11. 広域障害者職業センター、地域障害者職業センター又は障害者就業・生活支援センター
  12. 老人福祉施設
  13. 無業青少年の職業生活における自立を支援するための施設
  14. 労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を講ずる施設
  15. 更生保護施設
  16. 介護療養型医療施設又は介護保険法に規定する介護老人保健施設若しくは地域包括支援センター
  17. 刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所、婦人補導院若しくは入国者収容所又は地方更生保護委員会若しくは保護観察所
  18. 国立児童自立支援施設
  19. ホームレス自立支援事業を行う施設
  20. 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
  21. 発達障害者支援センター
  22. 障害福祉サービス事業、一般相談支援事業若しくは特定相談支援事業を行う施設、基幹相談支援センター、障害者支援施設、地域活動支援センター又は福祉ホーム
  23. 認定こども園
  24. 子ども・若者総合相談センター
  25. 地域型保育事業を行う施設
  26. 文部科学大臣及び厚生労働大臣が認める施設

公認心理師の(1)から(3)の業務については【公認心理師とは?】心理職初の国家資格をご紹介しますで詳しく解説しています。

出願の際に公認心理師の業務(1)から(3)を行っていたことを確認するため、施設の代表者による証明がある実務経験証明書を提出することになっています。

私設の相談室等については、施設の代表者による証明がある実務経験証明書に加え「税務署への開業届」「会社・法人登記簿謄本」「定款」等の写しを提出することになっています。

5年の算出方法については、常態として週1日以上勤務している期間が5年以上ということです。

ただし、実務をしている期間と休止をしている期間が混在している人もいると思います。

実務期間の算出方法については、日本心理研修センターのQ&Aをご覧ください。

これまでに説明した条件を満たす人は、現任者講習会を受講すれば公認心理師の受験資格を取得することができます。

第1回公認心理師試験では、受験資格があるかは出願してみないと分かりませんでした。

そのため、現任者講習会を受講したにも関わらず受験資格が認められなかった人もいました。

現任者講習会については【必須】現任者は公認心理師現任者講習会の受講が必須という話で解説しています。

区分Gが有効なのは、2022年までです。

実務経験が4年の人は、あと1年実務経験を積んで現任者講習会を受講すれば公認心理師試験を受験できます。

大学や大学院を出ていなくても「実務経験5年」+「現任者講習会受講」で国家資格である公認心理師試験を受験することができます。

区分Gの受験資格の詳細については【明解】公認心理師のGルートについて分かりやすく解説でも扱っていますので、ぜひご覧ください。

公認心理師の受験資格についてのお問い合わせ先

日本心理研修センター

公認心理師の受験資格全般に関するお問い合わせ先になります。

日本心理研修センターのQ&Aには受験資格を含む公認心理師に関する疑問点に対する回答が掲載されていますので、お問い合わせする前に見てみると良いでしょう。

ほとんどの質問に対する回答はQ&Aに掲載されています。

もし何か公認心理師に関する質問等あれば、日本心理研修センターにお問い合わせすると良いでしょう。

また、このホームページから私に自分に受験資格があるのかを質問される方がいますが、それは出願してみないと分かりません。

厚生労働省

こちらも公認心理師の受験資格全般に関するお問い合わせ先になります。

ただ、もしかしたら厚生労働省に問い合わせしても日本心理研修センターに問い合わせてくれと言われるかもしれません^^;

入学予定の大学、大学院

現在高校生でこれから公認心理師を目指す人、具体的には区分A、区分Bでの受験を考えている人は入学予定の大学に問い合わせて公認心理師の受験資格を得ることができるか確認しましょう。

区分Eの人も大学院に問い合わせて公認心理師の受験資格を得ることができるか確認しましょう。

入学予定の専門学校

現在高校生でこれから公認心理師を目指す人、具体的には区分Bで専門学校から公認心理師を目指そうと思っている人は専門学校に公認心理師の受験資格について確認しましょう。

出身大学、大学院

区分D1、区分D2の人は自分の出身大学院あるいは在学中の大学院に科目の読替えができるか確認しましょう。

区分E、区分Fの人は自分の出身大学あるいは在学中の大学に科目の読替えができるか確認しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は公認心理師の受験資格として区分A、区分B、区分C、区分D1、区分D2、区分E、区分F、区分Gについてそれぞれ解説するとともにお問い合わせ先についても紹介しました。

まとめると

公認心理師の受験資格

  • 公認心理師の受験区分にはA、B、C、D1、D2、E、F、Gがある
  • 区分Aは、2018年4月から大学+大学院の人が対象
  • 区分Bは、2018年4月から大学+実務経験2年の人が対象
  • 区分Cは、区分A、区分Bと同等の知識及び技能を有すると認定された人が対象、具体的には海外の大学+大学院の人が対象
  • 区分D1は、2017年9月15日より前に大学院を修了した人で科目読替えができた人が対象
  • 区分D2は、2017年9月15日より前に大学院に入学した人で科目読替えができた人が対象
  • 区分Eは、2017年9月15日より前に大学に入学し、大学を卒業したか今も在学中の人が大学での科目読替えが認められ、大学院を修了した場合に対象
  • 区分Fは、区分Eと同じく大学での科目読替えが認められ、区分Bと同じく施行規則で定める施設で2年以上の実務経験を満たした人が対象
  • 区分Gは、5年以上の実務経験がある人で現任者講習会を受講した人が対象

公認心理師の受験資格を確認できたら、次はいよいよ試験対策ですね。

公認心理師試験合格者(未登録)・臨床心理士。 社会人から一念発起して第一種臨床心理士指定大学院を受験し、臨床心理士になる。社会人から臨床心理士試験に合格した経験を活かして公認心理師試験対策講座を開講。自身も第1回公認心理師試験に合格。その後、臨床心理士試験模擬面接、臨床心理士試験論述対策、臨床心理士試験対策講座を開講し、公認心理師・臨床心理士を目指す人の支援を行っています。