「公認心理師試験に役立つ参考書がほしい・・・」
「公認心理師試験に役立つ参考書ってどれを選べば良いんだろう・・・」
ここで言う参考書は、テキストとは区別しています。
テキストは教科書的な本、問題集は問題集、参考書はテキストの補助的な本を考えています。
なので、ここではテキストの補助となるような本を参考書として紹介します。
公認心理師のテキストについては【推奨】公認心理師のテキストでおススメを紹介【現役講師が解説】で解説していますので、ぜひそちらをご覧ください。
公認心理師の問題集については【推奨】公認心理師の問題集でおススメを紹介【現役講師が解説】で解説していますので、ぜひそちらをご覧ください。
この記事を読むことで公認心理師試験に役立つおススメの参考書、そのような参考書の有効な使い方が分かります。
目次
公認心理師の参考書

DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き
DSM-5は、アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association:APA)が発行している書籍で精神障害の分類と診断のためのマニュアルです。
私が持っているのは、「Mini-D」と呼ばれる小冊子の方です。
私がこの本を知ったのは、確か大学院生のときでした。
臨床心理士試験を受けるときにこの本を買おうか迷いましたが、買いませんでした。
第1回公認心理師試験を受験する際にもこの本を買おうか迷いましたが、買いませんでした。
しかし、これから公認心理師試験を受験するのであれば、間違いなく買いますね。
というのは、第1回公認心理師試験から難易度が上がっていて、DSM-5についても詳細に理解していないと解けない問題が出ているからです。
下記は、第2回公認心理師試験の問28です。
DSM-5の反社会性パーソナリティ障害の診断基準として、正しいものを1つ選べ。
① 10歳以前に発症した素行症の証拠がある。
② 他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、14歳以降に起こっている。
③ 反社会的行為が起こるのは、統合失調症や双極性障害の経過中ではない。
④ 他人の権利を無視し侵害する広範な様式には、「自殺のそぶり、脅し」が含まれる。
⑤ 他人の権利を無視し侵害する広範な様式には、「衝動性、または将来の計画を立てられないこと」が含まれる。
第2回公認心理師試験-問28
正解は、⑤です。
この問題などはDSM-5を読んでいないと、けっこう厳しいのではないかと思います。
第2回公認心理師試験では、DSM-5について問う問題は問22、問28の2問でした。
また、選択肢の中でDSM-5が出てきた問題が問91の1問でした。
DSM-5は試験対策本のように試験のときだけ役立つものではなく、公認心理師資格を取得後も使う可能性があるため、手元に置いておいて損はないでしょう。
ICD-10 精神および行動の障害-臨床記述と診断のガイドライン-
ICD-10は、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類のことです。
こちらは、第2回公認心理師試験では、ICDについて問う問題はありませんでした。
しかし、第1回公認心理師試験ではICD-10について問う問題が出題されています。
下記は、第1回公認心理師試験の問48です。
ICD-10の病的窃盗の診断基準及びDSM-5の窃盗症の診断基準のいずれにも含まれないものを1つ選べ。
① 窃盗行為は利得のためではない。
② 窃盗行為に及ぶ前に緊張感が高まる。
③ 窃盗行為に及ぶとき解放感が得られる。
④ 窃盗行為は少なくとも6か月間にわたって起こっている。
第1回公認心理師試験-問48
正解は、④です。
この問題はICD-10だけではなくDSM-5も絡んだ問題ですが、ICD-10やDSM-5の内容を知らなければ正解するのは難しい問題ではないでしょうか?
ICD-10も試験対策本のように試験のときだけ役立つものではなく、公認心理師資格を取得後も使う可能性があるため、手元に置いておいて損はないでしょう。
精神診療プラチナマニュアルGrande 第2版
こちらは、精神科医の松崎朝樹さんが書かれた本です。
この本は臨床心理士試験、公認心理師試験を受験した後に存在を知り、購入しました。
精神診療プラチナマニュアル第2版には、通常の大きさとGrandeという拡大版の2種類があります。
実はこれまでに紹介したDSM-5とICD-10は本の大きさが小さくて、見づらいと思っていました。
そのため、この本を買う際には拡大版であるGrandeを選びました。
ちなみに、通常版は見たことがないので、実際にどのぐらいの大きさなのかは知りません^^;
DSM-5やICD-10はいかにもマニュアルという感じですが、こちらは実際の現場に即した内容になっています。
この本も公認心理師試験が終わった後にも役立つ場面が多そうです。
特に精神科やクリニックなど医療分野で働く公認心理師にとっては、手元に置いておきたい本でしょう。
公認心理師の参考書の有効な使い方

主要な精神疾患について読んでおく
時間があるときから、主要な精神疾患については読んでおくと良いです。
どこまでが主要な精神疾患なのかという話もありますが、最初はなんとなくでも良いと思います。
その後、次に説明するテキストに出てくる精神疾患だったり、問題集や模試で出題された精神疾患について読むという方法でも良いと思います。
最初は読みにくいと感じますが、読み続けることで、ある程度は慣れることができます。
テキストと合わせて参考書として読む
テキストで精神疾患を勉強しているときに、ついでに参考書を読む方法です。
テキストで精神疾患の基礎を勉強しつつ、DSM-5やICD-10の定義も一緒に確認するイメージです。
例えばテキストで自閉スペクトラム症について勉強した時に、DSM-5やICD-10の自閉スペクトラム症の診断基準についても一緒に確認します。
問題を解いて解説を読むときに参考書として読む
DSM-5やICD-10に関する問題を解いた後、実際にDSM-5やICD-10で確認する方法です。
また、DSM-5やICD-10に関する問題に限らず、精神疾患についての問題を解いた後にも解説とともにDSM-5、ICD-10にどのような記述があるのかを確認して理解を深めることができます。
例えば問題集や模試等でパニック障害の問題を解いた後に、解説を読みながらDSM-5やICD-10のパニック障害の診断基準についても一緒に確認します。
まとめ
いかがだったしょうか?
公認心理師試験に役立つ参考書を紹介しました。
テキストや問題集だけでも大変で、これらの本まで勉強する余裕はないのかもしれません。
また、正直、これらの本まで勉強しなくても合格できる人はいると思います。
私も臨床心理士試験、公認心理師試験のときにはここで挙げたすべての参考書を持っていませんでしたが、合格することができました。
ただ、公認心理師試験に万全の態勢で臨みたい人にとっては買っておいて損はないと思います。
何よりも、公認心理師試験が終わった後にも活用できる本です。