第4回公認心理師試験の合格率について知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか?
また、第5回試験の合格率がどうなるのか知りたい人もいると思います。
この記事を読むことで第4回公認心理師試験の合格率、さらに第5回公認心理師試験の合格率がどうなるのかが分かります。
目次
第4回公認心理師試験の合格率

第4回公認心理師試験については、次のような結果でした。

受験者数が21,055人、合格者数が12,329人、全体の合格率は58.6%でした。
第4回公認心理師試験の試験問題を入手し実際に解いてみて、合格率は60%を超えてくると思っていたので意外でした。
ただ、合格基準が下記のように変更されていました。

これまでの試験では合格基準が138点以上だったのが、第4回試験では143点以上に変更されています。
そのため、合格率が下がったものと考えています。
もし、合格基準が138点以上であれば、合格率は60%は超えていたと思います。
もっと言うと、65%を超えていたんじゃないかなと思っています。
受験区分別の受験者数、合格者数、合格者の割合、合格率は次の通りです。

受験区分別ではCの合格率が75.0%、D1が67.3%、D2が68.6%、Eが85.5%、Fが94.7%、Gが55.7%でした。
ここからは、受験区分毎に思ったことを書いていきます。
まず、Gルートの合格率が55.7%というのは意外でした。
全体の合格率が60%は超えてくると思っていましたし、全体の大部分を占めるGルートも60%を超えてくると思っていました。
それからGルートの受験者数も予想よりも少ないと感じました。
第3回試験を見送った人が第4回試験を受験し、受験者数はもっと多いと思っていました。
また、受験区分Eの合格率が85.5%と第3回試験に続き非常に高いです。
受験区分Eは大学院を修了したばかりなので 、合格率が高くなっていると考えられます。
ただ、大学院を修了したばかりで合格率が85.5%というのは、同じく大学院修了後に試験を受ける臨床心理士試験と比べても高すぎる気がします。
臨床心理士試験の合格率は、毎年60%ぐらいです。
そう考えると、合格率85.5%というのはかなり高い合格率です。
さらに、人数はかなり少ないですがFルートの受験者がいます。
Fルートは、大学卒業後に特定の施設で実務経験を積んで公認心理師試験を受験できるルートです。
毎年このくらいの受験者数になるのでしょうか。
それから、Fルートの受験者が存在するのにBルートの受験者が存在しないのも意外でした。
Bルートは、大学卒業後にFルートと同じ施設で実務経験を積んで公認心理師試験を受験できるルートです。
そのため、少数ですがFルートの受験者がいるのであればBルートの受験者もいると思っていました。
ここまで全体の合格率、区分別の合格率を見てきましたが、振り返ってみても合格基準が変わったインパクトが大きすぎます!
正直、合格基準は変わらないと思っていたので・・・とにかく驚きました!
合格基準の変更が合格率に大きな影響を与えています。
第5回公認心理師試験の合格率はどうなるのか?

ここからは第5回公認心理師試験がどうなるのかについて解説します。
公認心理師試験は合格率60%を目指しているのではないか
昔、本かインターネットで理想の試験についての記事を読んだことがあります。
そこには、理想の試験は合格率60%の試験であると書かれていました。
得点率60%だったのかもしれません・・・
すみません、記憶が定かではありません(笑)
また、公認心理師Aルートと同じく大学院修了後にある臨床心理士試験の合格率は毎年60%程度です。
これらの理由から、試験運営側としては公認心理師試験を合格率60%の試験にしたいとの思惑があるではないかと思っています。
この点を踏まえ、これまでの公認心理師試験の合格率について振り返りたいと思います。

合格率は第1回試験が79.6%、第1回追加試験が64.5%、第2回試験が46.4%、第3回試験が53.4%、第4回試験が58.6%でした。
ここからは当時の状況を整理するとともに、試験運営側の思惑を推測したいと思います。
第1回試験の合格率は79.6%と非常に高い合格率でした。
問題数も配点も分からず過去問も無い中でのはじめての国家試験でした。
第1回追加試験の合格率は64.5%でした。
問題数、配点、合格点などが分かっていることもあってか第1回試験に比べ難しくなっているのが分かります。
そして、第2回試験が行われます。
第1回試験、第1回追加試験が終わり試験について明らかになるとともに試験対策本などが出版されたこともあってか過去最低の合格率でした。
このときの状況としては公認心理師試験の問題数、配点、合格点などが明らかになるとともに過去問も2回分あり、さらに試験対策本も出版されている状況です。
試験運営側としては試験の難易度を上げ、合格率が上がるのを防ぎたかったのではないかと思っています。
その結果、第2回試験の合格率は46.4%でした。
試験運営側としては思ったよりも合格率が低かった。
そのため、第3回試験では難易度を下げ合格率を上げようとします。
その結果、第3回試験の合格率は53.4%でした。
第2回試験の合格率の低さを受けて、第3回試験で難易度を下げますがまだ合格率は60%に到達しません。
そこで、第4回試験では難易度をさらに下げて合格率を上げようとします。
しかし、第4回試験では難易度を下げ過ぎてしまい合格率が高くなり過ぎてしまった。
そのため、第4回試験では合格基準を変更した。
その結果、第4回試験の合格率は58.6%となった。
もちろん、あくまで推測ですので本当のところは分かりません(笑)
ただ、第5回試験で合格基準を変えてきたこともあり、合格率60%を目指しているというのも現実味を帯びてきませんか?
第5回公認心理師試験は合格基準138点以上で合格率60%を目指すのではないか
試験の合格率を60%にしたいとすると、第4回試験の合格率はある程度妥当ということになります。
ただ、第4回試験では合格基準を138点以上から143点以上に変更して合格率58.6%でした。
おそらく、日本心理研修センターにはたくさんのクレームがあったと思います(笑)
そう考えると、理想は合格基準138点以上で合格率60%の試験でしょう。
試験運営側としてはココを目指してくると思います。
ちなみに、第1回試験から第4回試験までの合格率の平均は60.5%になります。
現任者が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後

ここまで解説しておきながら、合格率がどうなるかはあくまで予測に過ぎません。
そして、合格率がどうなろうと現任者(Gルート)が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後です。
また、公認心理師試験において大学・大学院レベルの心理学は必須で習得に時間が掛かります。
このことについて深掘りします。
公認心理師試験に大学や大学院レベルの心理学は必須で習得に時間が掛かる
現任者の中には現任者講習会を受講して少し勉強しさえすれば割と簡単に公認心理師資格を取得できると思っている人もいたかもしれません。
しかし、過去の公認心理師試験の合格率を見てもらえれば分かるように、簡単に合格できる試験ではありません。
公認心理師試験では、大学や大学院レベルの心理学は必須だと考えています。
もちろん、それ以外の知識も必要です。
しかし、まず大学や大学院レベルの心理学という土台があって、その上にそれ以外の知識も必要だと考えています。
そして、大学や大学院レベルの心理学はすぐに習得できるものではありません。
大学と大学院で習得する6年分の知識を習得するのには、それなりに時間が掛かります。
そのため、早めに準備することをおススメします。
お仕事などで勉強時間を確保することが難しい場合は、予備校を利用してみても良いでしょう。
現任者が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後
現任者がGルートで受験できるのは、移行期間である第5回公認心理師試験までです。
現任者講習会については、令和3年度開催公認心理師現任者講習会が最後となります。
令和3年度開催公認心理師現任者講習会についての詳細は【令和3年度】公認心理師現任者講習会は2021年7月から開催をご覧ください。
この機会を逃すと、Gルートでの受験はできなくなります。
もちろん、移行期間が終わった後でもAルートで公認心理師資格を取得することはできます。
しかし、その場合は大学と大学院の合わせて6年分の学費と時間が必要です。
そう考えると、第5回試験で合格を目指した方が良いと思います。
一方、第5回試験で落ちるとGルートで公認心理師試験を受験することは二度とできません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
第4回公認心理師試験の合格率、第5回公認心理師試験の合格率がどうなるのか、現任者が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後であることについて解説しました。
まとめると
第4回公認心理師試験の合格率
- 全体で58.6%
- 合格基準が138点から143点に変更されたため、合格率に影響を与えている
- 区分Cが75.0%、D1が67.3%、D2が68.6%、Eが85.5%、Fが94.7%、Gが55.7%
第5回公認心理師試験の合格率はどうなるのか?
- 公認心理師試験は合格率60%を目指しているのではないか
- 第5回公認心理師試験は合格基準138点以上で合格率60%を目指すのではないか
現任者が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後
- 公認心理師試験に大学や大学院レベルの心理学は必須で習得に時間が掛かる
- 現任者が受験できるのは第5回試験までなので、第5回試験で合格を目指すのがおススメ