【2020年】第3回公認心理師試験の合格率と今後を予測してみた

【2020年】第3回公認心理師試験の合格率と今後を予測してみた

第3回公認心理師試験の合格率について知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか?

また、今後の合格率がどうなっていくのか知りたい人もいると思います。

この記事を読むことで第3回公認心理師試験の合格率、さらに今後の合格率がどうなっていくのかが分かります。

第3回公認心理師試験の合格率

第3回公認心理師試験の合格率

第3回公認心理師試験については、次のような結果でした。

第3回公認心理師試験の合格率

受験者数が13,629人、合格者数が7,282人、全体の合格率は53.4%でした。

受験区分別の受験者数、合格者数、合格者の割合、合格率は次の通りです。

第3回公認心理師試験の受験区分毎の合格率

受験区分別ではD1の合格率が55.4%、D2が61.6%、Eが81.0%、Gが50.0%でした。

ここからは、受験区分毎に思ったことを書いていきます。

まず、Gルートの受験者数が約10,000人というのは意外でした!

Gルートについては、第2回試験不合格者が6,583人、新たに現任者講習会を受講した人が約9,000人だったので、合わせると15,500人ぐらいになります。

しかし、その3分の2にあたる10,400人ぐらいしか受験していません。

コロナの影響などの理由で受験しなかった受験生が約5,000人いることになります。

また、特筆すべきは受験区分Eの合格率が81%と非常に高くなっています!

受験区分Eは大学院を修了したばかりなので 、合格率が高くなっていると考えられます。

ただ、大学院を修了したばかりで合格率が81%というのは、同じく大学院修了後に試験を受ける臨床心理士試験と比べても高すぎる気がします。

臨床心理士試験の合格率は、毎年60%ぐらいです。

そう考えると、合格率81%というのは第1回公認心理師試験並みに高い合格率です。

さらに、Fルートの受験者がいないというのも意外でした!

Fルートは、人数は少なくても受験者はいると思っていたので・・・

全体の合格率、区分別の合格率のいずれを見ても第2回公認心理師試験よりも難易度は低い試験であったことが分かります。

第2回公認心理師試験の合格率については【2019年】第2回公認心理師試験の合格率から分かることで詳しく解説しています。

【予測】公認心理師の合格率はどうなっていくのか?

【予測】公認心理師の合格率はどうなっていくのか?

第4回公認心理師試験の合格率は移行期間終了後を見据えるか現任者を優遇するかで決まる

以前、【2019年】第2回公認心理師試験の合格率から分かることで第2回公認心理師試験の合格率が移行期間中の基準になるという話をしました。

しかし、第3回試験の合格率は第2回に比べて高くなっています。

この2回の試験から、今後の試験について次の2つのことが考えられます。

1つ目は第2回試験のように移行期間終了後を見据えて、大学院修了生が60%の合格率になるような試験にすることです。

実際に第2回試験では大学院修了生であるD2ルートの合格率は、58.8%でした。

この場合、第2回試験のように難易度が高くなります。

もう1つは第3回試験のように移行期間中は、難易度を下げて現任者がある程度合格できるような試験にすることです。

実際に第3回試験ではGルートの合格率は50.0%で第2回試験の41.8%に比べ高くなっています。

ただし、この場合は大学院修了生(第3回試験のEルート)の合格率が非常に高くなります。

試験運営者として移行期間終了後を見据えた試験にするのか、それとも移行期間中は現任者が合格しやすい試験にするのかということです。

個人的には公認心理師が社会的に価値ある資格であるためには、第2回試験のような難易度にする必要があると思っています。

理由は、第3回試験の難易度であれば大学院修了生(Eルート)であればほとんどの人が合格できる資格となってしまい、資格としての価値が下がるからです。

Gルートの合格率が全体の合格率になる

今後の公認心理師試験ではD1ルート、D2ルートの受験生が減っていきます。

第4回試験では第3回試験で不合格だった人が受験するとしてD1ルートが約600人、D2ルートが約300人になります。

D1ルート、D2ルートの受験生は減り続けます。

Eルートも第3回試験並みの受験生が新規参入すると考えると、第4回試験では新たに約900人が受験することになるでしょう。

今回不合格だった約200人も受験すると考えると、Eルートの受験生は約1100人になります。

Gルートについては、毎年、現任者講習会を受講して新規に受験する人が一定数います。

現任者講習会については【必須】現任者は公認心理師現任者講習の受講が必須という話で解説しています。

第4回試験に向けた令和2年度開催公認心理師現任者講習会のすべての定員を合計すると、約17,000人でした。

第3回試験で不合格だった約5,200人も第4回試験を受験すると考えると、受験生は約22,200人になります。

また、第3回試験を受験しなかった約5,000人も第4回試験を受験すると考えると、Gルートの受験生は約27,200人になります。

まとめると第4回公認心理師試験の受験者数はD1が600人、D2が300人、Eが1,100人、Gが27,200人となります。

これまで以上に受験生のほとんどがGルートであり、Gルートの合格率が全体の合格率に及ぼす影響が大きくなます。

その結果、Gルートの合格率≒全体の合格率になります。

公認心理師の合格率がどうなっても現任者が受験できるのはあと2回

公認心理師の合格率がどうなっても早めの受験が有利

ここまで解説しておきながら、合格率がどうなるかはあくまで予測に過ぎません。

そして、合格率がどうなろうと現任者(Gルート)が受験できるのはあと2回です。

また、公認心理師試験において大学・大学院レベルの心理学は必須で習得に時間が掛かります。

このことについて深掘りします。

公認心理師試験に大学や大学院レベルの心理学は必須

これまでの試験では、現任者講習会を受講して少し勉強しさえすれば割と簡単に公認心理師資格を取得できると思っている人もいたかもしれません。

しかし、第3回公認心理師試験の合格率を見てもらえれば分かるように、簡単に合格できる試験ではありません。

半分近くの人が落ちる試験です。

現任者(Gルート)に限って言えば、半分の人が落ちる試験です。

第3回試験でGルートの受験者が減ったのは、コロナの影響だけでなく第2回試験の難易度を見て受験を諦めてしまった人もいるかもしれません。

公認心理師試験では、大学や大学院レベルの心理学は必須だと考えています。

もちろん、それ以外の知識も必要です。

しかし、まず大学や大学院レベルの心理学という土台があって、その上にそれ他の知識も必要だと考えています。

そして、大学や大学院レベルの心理学はすぐに習得できるものではありません。

大学と大学院で習得する6年分の知識を習得するのには、それなりに時間が掛かります。

そのため、早めに準備することをおススメします。

お仕事などで勉強時間を確保することが難しい場合は、予備校を利用してみても良いでしょう。

現任者が受験できるのは、第5回公認心理師試験まで

現任者がGルートで受験できるのは、第5回公認心理師試験までです。

現任者講習会については、令和3年度開催公認心理師現任者講習会が最後となります。

この機会を逃すと、Gルートでの受験はできなくなります。

もちろん、移行期間が終わった後でもAルートで公認心理師資格を取得することはできます。

しかし、その場合は大学と大学院の合わせて6年分の学費と時間が必要です。

そう考えると、第4回試験で合格を目指した方が良いと思います。

仮に第4回試験で不合格でも第5回試験を受験することができます。

一方、第5回試験で落ちるとGルートで公認心理師試験を受験することは二度とできません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

第3回公認心理師試験の合格率、今後の合格率がどうなっていくのか、公認心理師試験の合格率がどうなっても現任者が受験できるのはあと2回であることを解説しました。

まとめると

第3回公認心理師試験の合格率

  • 区分D1が55.4%、D2が61.6%、Eが81.0%、Gが50.0%
  • 全体で53.4%

公認心理師の合格率はどうなっていくのか?

  • 第4回公認心理師試験の合格率は移行期間終了後を見据えるか現任者を優遇するかで決まる
  • Gルートの合格率が全体の合格率になる

公認心理師試験の合格率がどうなっても現任者が受験できるのはあと2回

  • 大学や大学院レベルの心理学は必須で、習得に時間が掛かる
  • 現任者が受験できるのは第5回試験までなので、第4回試験で合格を目指すのがおススメ
公認心理師試験合格者(未登録)・臨床心理士。 社会人から一念発起して第一種臨床心理士指定大学院を受験し、臨床心理士になる。社会人から臨床心理士試験に合格した経験を活かして公認心理師試験対策講座を開講。自身も第1回公認心理師試験に合格。その後、臨床心理士試験模擬面接、臨床心理士試験論述対策、臨床心理士試験対策講座を開講し、公認心理師・臨床心理士を目指す人の支援を行っています。