【疑問】看護師でも公認心理師になれるのかお答えします

「看護師でも公認心理師になれるって聞いたけど、本当なのかなぁ・・・」

「そもそも看護師に公認心理師試験の受験資格があるの?」

こういう疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、看護師でも公認心理師になれるのかについて解説します。

結論から言うと、看護師でもいくつかの条件を満たすことで公認心理師になることができます。

この記事を読むことで看護師でも公認心理師になれるのか、看護師が公認心理師になる方法、看護師が公認心理師試験に合格する方法について解説します。

看護師でも公認心理師になることができる

看護師でも公認心理師になることができる

冒頭で話したようにいくつかの条件を満たせば、看護師でも公認心理師になることはできます。

では、実際にどのくらいの看護師が公認心理師になっているのでしょうか?

日本心理研修センターの【第1回~第4回公認心理師試験】受験申込時における調査の集計結果についてに受験者の保有資格について掲載されています。

下記の表は、第4回公認心理師試験の受験者に行った調査結果です。

第4回公認心理師試験受験者の保有資格

保有資格は教員(幼稚園~高等学校)、社会福祉士、精神保健福祉士、看護師、介護福祉士、保育士、臨床心理士の順となっています。

第4回公認心理師試験では教員(幼稚園~高等学校)が1番多くなっています。

看護師は2,462人となっていて、全体の12.90%を占めています。

下記の表は、第3回公認心理師試験の受験者に行った調査結果です。

第3回公認心理師試験受験者の保有資格

保有資格は教員(幼稚園~高等学校)、臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士、看護師、保育士の順となっています。

第3回公認心理師試験では教員(幼稚園~高等学校)が1番多くなっています。

看護師は1,303人となっていて、全体の9.55%を占めています。

下記の表は、第2回公認心理師試験の受験者に行った調査結果です。

第2回公認心理師試験受験者の保有資格

保有資格は教員(幼稚園~高等学校)、臨床心理士、精神保健福祉士、社会福祉士、保育士、看護師の順となっています。

第2回公認心理師試験では教員(幼稚園~高等学校)が臨床心理士を抜いて、1番多くなっています。

看護師は902人となっていて、全体の6.15%を占めています。

下記の表は、第1回公認心理師試験の受験者に行った調査結果です。

第1回公認心理師試験受験者の保有資格

保有資格は臨床心理士、教員(幼稚園~高等学校)、精神保健福祉士、教員(大学・大学院)、臨床発達心理士、社会福祉士、保育士、学校心理士、特別支援教育士、看護師の順となっています。

第1回公認心理師試験では、臨床心理士が圧倒的に多いですね。

看護師は857人となっていて、全体の2.38%を占めています。

これらの調査結果が示しているのは、正確に言うと看護師ではなく看護師資格を持つ人です。

しかし、この中には普段から看護師として働いている人もたくさんいるでしょう。

看護師が公認心理師になる方法

看護師が公認心理師になる方法

看護師が公認心理師になる方法について解説します。

これは看護師に限らず、公認心理師になる方法は誰でも同じです。

①受験資格を取得する

公認心理師になるには公認心理師試験に合格する必要があります。

しかし、公認心理師試験は誰でも受験できるわけではありません。

まずは公認心理師試験の受験資格を取得する必要があります。

公認心理師の受験資格については【完全】公認心理師の受験資格8パターン全てを分かりやすく解説をご覧ください。

看護師が公認心理師試験を受験する場合、Gルート(現任者)で受験する人が多いと思います。

その場合、Gルートでの受験資格を取得する必要があります。

ちなみに、Gルートでの受験に職種は関係ありません。

日本心理研修センターのホームページにも、下記の記載があります。

Q どのような職種だと現任者として認められますか。

A 現任者の要件に職種は含まれていません。業務内容について,勤務先の証明権限のある代表者が,公認心理師法第2条第1号,第2号及び第3号の内容があると判断して,受験申込時の実務経験証明書に証明した場合,職種によらず,現任者としての可能性はあります。

日本心理研修センター:Q&A

つまり、看護師だから受験できるとか受験できないとかいう話ではないのです。

Gルートの要件を満たしていれば、誰でも受験資格を取得できます。

公認心理師のGルートについては【明解】公認心理師のGルートについて分かりやすく解説をご覧いただくのが良いと思います。

②公認心理師試験に合格する

当たり前ですが、受験資格を取得した後は公認心理師試験に合格する必要があります。

ちなみに、第4回公認心理師試験の合格率は全体で58.6%、Gルートは55.7%でした。

この合格率から、決して簡単に合格できる試験ではないことが分かると思います。

公認心理師試験の合格率については【衝撃】第4回公認心理師試験の合格率が明らかに【第5回も予測】で詳しく解説しています。

③公認心理師登録簿に登録される

時々、勘違いしている人が多い気がするのですが、公認心理師試験に合格したからといって「公認心理師」を名乗れるわけではありません。

公認心理師登録簿に登録されて、はじめて「公認心理師」を名乗ることができます。

これでようやく、公認心理師になることができます。

看護師が公認心理師試験に合格する方法

看護師が公認心理師試験に合格する方法

ここでは、普段は看護師として働いている人が公認心理師試験に合格する方法について解説します。

大学・大学院レベルの心理学をマスターする

公認心理師試験では、大学・大学院レベルの心理学は必須です。

現在、公認心理師試験は移行期間中です。

移行期間が終わればメインルートとなると言われているのが、Aルートです。

Aルートは、大学卒業と大学院修了が必須です。

つまり、公認心理師にはそれぐらいのレベルが求められています。

なので、どの程度心理学を習得しているかは個人差があると思いますが、大学・大学院レベルの心理学は最低限必要だと思っておいて間違いはないでしょう。

看護師の強みを活かす

これは完全にイメージなのですが、看護師は脳や神経や人体については詳しいのではないでしょうか。

分野で言えば、「神経心理学(脳・神経)」や「人体、精神疾患とその治療」あたりですかね。

看護師のカリキュラムを知らないので、完全なイメージです。

間違っていたらすみません^^;

臨床心理士には、これらの分野を苦手とする人も多いです。

そのため、試験ではこれらの分野を得点源としたら良いと思います。

また、これらの分野の勉強にあまり時間を割かなくて良いのではないでしょうか。

試験勉強に最低半年は必要

大学や大学院で心理学を学んでいない人が公認心理師試験に合格するには、試験勉強に時間を掛ける必要があります。

私は公認心理師試験対策講座の講師をしていますので、これまでいろいろな受講生を見てきました。

その経験から、やはり試験勉強に最低半年ぐらいは必要だと思っています。

もちろん個人差がありますので、あくまで一般的な目安となります。

公認心理師試験の試験対策については【決定】公認心理師の試験対策はこうすべし【真似してOK】で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

まとめ

いかがでしょうか?

看護師が公認心理師になることができるのかについて解説しました。

看護師でも条件を満たせば、公認心理師になることができます。

もちろん、公認心理師資格を取得後も自己研鑽が必要なことは言うまでもありません。

患者さんにとって、心理面もケアできる看護師というのはとても喜ばれると思います。

また、病院側から見てもそのような患者さんに喜ばれる看護師は重宝されるはずです。

公認心理師資格を取得して看護師からカウンセラーへとキャリアの幅も広がり、人生の自由度が高まります。

現在、看護師として働いている方もこの機会に公認心理師を目指してみてはいかがでしょうか?

公認心理師試験合格者(未登録)・臨床心理士。 社会人から一念発起して第一種臨床心理士指定大学院を受験し、臨床心理士になる。社会人から臨床心理士試験に合格した経験を活かして公認心理師試験対策講座を開講。自身も第1回公認心理師試験に合格。その後、臨床心理士試験模擬面接、臨床心理士試験論述対策、臨床心理士試験対策講座を開講し、公認心理師・臨床心理士を目指す人の支援を行っています。