公認心理師と臨床心理士のどちらが難しいのか知りたい人も多いのではないでしょうか?
2つの試験の難易度を比べるのは難しいのですが、やってみました。
この記事を読むことで公認心理師と臨床心理士のどちらが難しいのか、さらにどのくらい差があるのかが分かります。
目次
公認心理師と臨床心理士の難易度

公認心理師と臨床心理士の難易度を比べるのは、簡単ではありません。
そこで、ここでは合格率で比較してみます。
公認心理師試験と臨床心理士試験の合格率は、次の通りです。

第1回公認心理師試験の合格率については【予測】公認心理師の合格率は今後下がりつづけるという話で解説しています。
第2回公認心理師の合格率については【2019年】第2回公認心理師試験の合格率から分かることで解説しています。
公認心理師と臨床心理士の違いについては【結論】公認心理師と臨床心理士のどちらを目指すべきかお答えしますで解説しています。
公認心理師試験はまだ2回しか行われておらず、現在は移行期間中です。
そのため、データ数が少ないのですが上記の結果になっています。
これだけ見るとどちらが難易度が高いのか分からないので、もう少し条件を合わせる必要があります。
公認心理師と臨床心理士の受験生を揃えて難易度を比較する

公認心理師と臨床心理士の難易度を比較するには、受験生を揃える必要があります。
このことについて深掘りします。
公認心理師と臨床心理士の受験生を大学院修了生に揃えて難易度を比較する
公認心理師と臨床心理士の受験生には、大きな違いがあります。
公認心理師は移行期間中であり、現任者はGルートで受験することができます。
一方、臨床心理士は臨床心理士指定大学院を修了しなければ受験資格がありません。
そして、公認心理師の受験者にも大学院修了者(Cルート、D1ルート、D2ルート、Gルートの一部)がいます。
公認心理師の受験資格については【完全】公認心理師の受験資格8パターン全てを分かりやすく解説で解説しています。
公認心理師と臨床心理士を比較するためには、受験生を揃えて比較する必要があります。
公認心理師の受験生を大学院修了者に限定すると、該当するのはD1、D2ルートです。
Cルートについては、人数が圧倒的に少なく主に海外の大学や大学院を修了した人であるため対象から外します^^;
日本心理研修センターから発表された第2回公認心理師試験の合格者の内訳は、次の通りです。


合格率はD1ルートが53.6%、D2ルートが58.8%でした。
ここからD1、D2ルートをまとめた合格率を算出します。
受験区分毎の合格者数と合格率から受験者数を計算したのが、次の表です。

ただし、合格率の小数点第2位以下の数値が分からないため、正確な数値ではありません。
そのため、受験者の合計が5人ズレています。
しかし、ここでは誤差の範囲と考えます(^^;
D1、D2ルートの受験者数と合格者数からD1、D2ルートをまとめた合格率を計算します。
D1、D2ルートをまとめた合格率は
(1,879 + 1,253) ÷ (3,506 + 2,131) × 100 = 55.56
D1、D2ルートをまとめた合格率は、約55.6%になります。
一方、2019年の臨床心理士試験の合格率は、62.7%です。
2019年の第2回公認心理師試験のD1、D2ルートの合格率が55.6%なのに対し、臨床心理士試験の合格率が62.7%です。
なので、公認心理師の方が難易度は高いと考えられます。
公認心理師と臨床心理士の受験生を今年の大学院修了生に揃えて難易度を比較する
公認心理師と臨床心理士の大学院修了生に限定して、合格率を比較してみました。
ただ、一つ疑問があります。
それは、公認心理師のD1ルートの受験生と臨床心理士の受験者を単純に比較していいのかという疑問です。
公認心理師のD1ルートには、何十年も前に大学院を修了した人がいます。
一方、臨床心理士試験の受験者にも何十年も前に大学院を修了してずっと試験に合格できずに受験し続けている人がいるかもしれませんが、そのような人はかなり少ないと考えられます。
つまり、公認心理師試験には何十年も前に大学院を修了したD1ルートの受験生が一定数いる一方、臨床心理士試験にはそのような受験生はほとんどいないのです。
この部分の条件を合わせて比較する必要があり、その場合、最も適切なのは大学院を修了したばかりのD2ルートの人になります。
2019年の第2回公認心理師試験におけるD2ルートの合格率は、58.8%でした。
一方、2019年の臨床心理士試験の合格率は62.7%でした。
2019年の第2回公認心理師試験のD2ルートの合格率が58.8%なのに対し、臨床心理士試験の合格率が62.7%です。
大学院を修了したばかりの受験生で合格率を比べても、若干ですが公認心理師試験の方が難易度は高いことになります。
公認心理師と臨床心理士の難易度を比較する上での注意点

ここまで、公認心理師と臨床心理士の難易度を受験生を揃えて比較してきました。
ここで、一つ注意しておいてほしいことがあります。
それは、公認心理師試験と臨床心理士試験の難易度を合格率だけでは判断できないということです。
ここまで説明しておきながらと思われるかもしれません(^^;
しかし、この2つの試験は試験問題の性質に差があるため、難易度を合格率だけで簡単に比べることはできません。
考えてもらえれば分かると思いますが、性質の異なる試験の難易度を比べるのは容易ではないです。
例えば、医師国家試験の合格率は90%ぐらいですが、公認心理師試験より簡単だとは言えないと思います。
そのため、受験者をなるべく揃えて比較しましたが、それでも一概には言えないです。
公認心理師試験に合格した人が臨床心理士試験に落ちたり、逆に公認心理師試験に不合格の人が臨床心理士試験に合格することもあるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
公認心理師と臨床心理士の難易度について説明しました。
まとめると
公認心理師と臨床心理士の難易度
- 2019年の公認心理師の合格率は46.4%、臨床心理士試験の合格率は62.7%
公認心理師と臨床心理士の受験生を揃えて難易度を比較
- 2019年の公認心理師試験のD1、D2ルートの合格率が55.6%なのに対し、臨床心理士試験の合格率が62.7%
- 2019年の公認心理師試験のD2ルートの合格率が58.8%なのに対し、臨床心理士試験の合格率が62.7%
公認心理師と臨床心理士は試験問題の性質に差があるため、難易度を合格率だけで比較することはできない
あくまでも一つの考えとして読んでいただけたらと思います。