心理職は食えないとよく言われますが、実際に公認心理師は食べていけるのかを知りたい人も多いのではないでしょうか?
最近、大規模な調査が行われたので、それを基に解説します。
この記事を読むことで心理職の年収や時給、さらに収入を増やす方法が分かります。
目次
公認心理師は食えないのか考えてみた

心理職の年収や時給についてデータを基に解説します。
2020年3月に発表された国立精神・神経医療研究センターの「公認心理師の職務や実習の実態を明らかにするため全国初の大規模調査を行いました」が参考になります。
公認心理師の実態を明らかにするための大規模調査ということで医療機関に限定されますが、4000件のアンケートを基に調査が行われています。
その中で常勤心理職の6割弱が年収400万円未満で、最も多いのが350万~400万未満です。
非常勤心理職の時給については、医療機関によってばらつきが大きいですが、平均時給は5割以上が1,600円未満です。
率直な感想としては、大体予想通りですね。
国税庁の民間給与実態統計調査によると平成30年度の平均年収が441万円なので、それよりも安いという感じです。
じゃあ、心理職は食べていけないかと言われるとそんなことはないと思っています。
あまり貯金できなかったりするかもしれませんが、食べていけないということはないです。
公認心理師として食べていく方法

心理職として食べていく方法というか収入を上げる方法を考えてみました。
心理職として時給の高い仕事をする
当たり前かもしれませんが、心理職として年収を上げようと思ったら時給の高い仕事をするか、時給の安い仕事をたくさんするしかありません。
先程、非常勤心理職の時給は1,600円未満が多いということなので、それ以上の時給で働けば年収は高くなります。
例えば、スクールカウンセラーは時給が高くて有名です。
時給5,000円くらい貰えると思います。
ただし、1校の勤務日数は限りがあるようなので勤務する学校を増やしてスクールカウンセラーを掛け持ちすることで高収入を得ることができます。
また、心理職として開業すればカウンセリングの料金を自分で決めることができるため、時給を上げることができます。
心理職として単純に仕事を増やす
心理職全員が、時給の高い仕事に就けるわけではありません。
そうした場合、時給が安くても仕事を増やすことで年収を上げることができます。
正直、心理職には時給1,000円のお仕事もそれなりに多くあります。
あまり経験がない場合は、そのような仕事でも選り好みせずに仕事をしていくことも大事かもしれません。
時給は安くても、仕事の数を増やすことで年収を上げることができます。
心理職に拘らずに周辺領域で仕事をする
個人的に1番おススメなのがこの方法です。
心理職ではないですが、心理の専門性を活かせるような仕事をすることです。
例えば、マインドフルネスに関するセミナーの講師だったり、人間関係など心理の専門性を活かせるライターの仕事などです。
これは心理に限ったことではないのですが、これからの時代にスキルが1つしかないというのは厳しいですね。
先程のセミナーの講師であれば、心理職のスキルと講師のスキルを身に着けることができます。
心理職のスキルを持つ人が100人に1人の場合、その人のスキルは100人に1人のスキルになります。
同じように講師のスキルを持つ人が100人に1人の場合、その人のスキルは100人に1人のスキルになります。
しかし、心理のセミナー講師であれば100分の1×100分の1で、10000人に1人の特別な存在になれます。
当然、そのような人は希少なので時給も上がります。
スキルを掛け合わせることで特別なスキルを持った人間になり、年収を上げることができます。
また、カウンセリングのように1対1ではなく1対多であるため、短時間で高収入を得ることができます。
より多くのスキルを持っている方が希少価値の高い人間になれますね。
AI時代の到来で公認心理師は食えなくなるのか考えてみた

最近、将来AIに仕事を奪われるという話をよく聞きます。
今まで人間がやっていた仕事をAIがやることによって、人間がいらなくなるという話です。
結論から言うと、心理職の仕事はなくならないと思っています。
理由は、AIは人間の感情を理解することが苦手だからです。
そのため、カウンセリングなどの人間の感情を扱う仕事は今後も人間がやることになります。
そう考えると、AIが台頭してきても公認心理師(心理職)は食えないということはないです。
ただし、将来的にAIを使いこなせるカウンセラーとAIを使いこなせないカウンセラーではクライエントの満足度に違いが出ると考えています。
カウンセラーには分からないクライエントの瞳孔が広がり、0コンマ何秒という僅かな反応の遅れ、ほとんど判断できないような微妙な声の高低などをAIが把握してカウンセリングに活かすことが考えられます。
例えば、カウンセラーが「父親」の話を振ったときにクライエントの瞳孔が広がり、僅かに反応が遅れたとします。
その反応の遅れをAIは見逃さず、カウンセラーにこのクライエントが父親に対して何かしらのトラウマを持っている可能性があるため、父親に関する質問をするようにアドバイスしてくるといったことが考えられます。
そして、その質問自体もAIがカウンセラーに提供します。
カウンセラーの質問に対してクライエントが答えると、そのクライエントの反応をAIがさらに分析します。
カウンセラーには分からないようなクライエントの反応がAIには分かるということです。
AIは人間の感情そのものは分からなくても、人間の感情に基づくさまざまな反応については学習することができると考えています。
このようなAIの活用により、カウンセリングの質や精度を上げることができます。
そんな時代になると、AIを使いこなせないカウンセラーは淘汰されていくでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
心理職は食えないのか、心理職として食べていく方法、さらにAI時代が到来した場合に食べていけるのかについて解説しました。
まとめると
心理職の年収、時給
- 常勤心理職の6割弱が年収400万円未満で、最も多いのが350万~400万未満
- 非常勤心理職の時給については医療機関によってばらつきが大きいですが、平均時給は5割以上が1,600円未満
心理職として食べていく方法
- 心理職として時給の高い仕事をする
- 心理職として単純に仕事を増やす
- 心理職にこだわらずに周辺領域で仕事をする
AI時代が到来しても心理職はなくならないが、AIを活用できないカウンセラーは淘汰されていく可能性が高い
心理職の年収は決して高くはないですが、食べていけないということはないです。
この機会に公認心理師を目指してみてはいかがでしょうか?