【決定】第5回公認心理師試験が官報で公示されました

【決定】第5回公認心理師試験が官報で公示されました

2022年1月25日に第5回公認心理師試験について官報で公示されました。

官報には色々な情報が記載されています。

この記事を読むことで官報とは何なのか、第5回公認心理師試験について官報で明らかになったことが分かります。

官報とは

官報とは

まず、官報とは何なのか解説します。

官報とは国の機関紙

官報とは行政機関の休日を除いて、ほぼ毎日のように国が発行する新聞みたいなものです。

そして、官報には政府や省庁の決定事項が掲載されます。

国が一般国民に伝えたいことを周知するためのものです。

インターネット版官報もある

官報にはインターネット版官報もあります。

公認心理師試験に関する官報が公示されると、日本心理研修センターのホームページにその旨が掲載されます。

日本心理研修センターについては【最新】公認心理師の最新情報はこれだけ見ればOK【まとめてみた】で解説してます。

第5回公認心理師試験について官報で公示された内容

第5回公認心理師試験について官報で公示された内容

2022年1月25日の官報で、第5回公認心理師試験について公示がありました。

今回の官報で明らかになったことについて解説します。

試験日

試験日は、令和4年7月17日(日)です。

予想通り3連休の真ん中の日曜日に試験が行われます。

試験地

試験地は北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県、長崎県、大分県の11都道府県です。

試験地については第4回公認心理師試験から兵庫県、広島県、長崎県、大分県が追加されています。

ただ、「試験地については、試験会場の確保の状況に応じて変更の可能性がある。なお、受験をする試験会場の名称及び所在地については受験票で通知する。」との記載がありますので、注意が必要です。

試験の形式及び問題数

(1)試験は、筆記の方法

「障害のある者等については、その申請により点字問題、拡大文字問題、チェック式による解答用紙等による試験を行うほか、試験時間の延長等必要な配慮を行う。」となっています。

(2)出題形式は、5肢または4肢択一を基本とする多肢選択形式

「基本」という点に注意が必要です。

毎年、公認心理師試験では回答を1つではなく2つ選択させる問題も出題されています。

(3)問題数は150問程度

第5回公認心理師試験では問題数には注意が必要です。

今回の官報ではこれまでの官報で記載のなかった「問題数は150問程度とする。」という文言が追加されています。

これまでの試験が午前77問、午後77問、合計154問という中途半端な問題数だったので、第5回試験では150問というキリの良い問題数になるかもしれません。

合格基準

これまでの官報では合格基準に関する記載はありませんでした。

それが今回は「合格基準は、総得点の60%程度以上を基準とし、問題の難易度で補正するという考え方を基に決定する。」と記載されています。

第4回試験で合格基準を変更したこともあり、明記されたのかもしれません。

受験資格

受験資格について、官報では詳細に記載されています。

受験資格については【完全】公認心理師の受験資格8パターン全てを分かりやすく解説でも解説しています。

見込受験

官報の受験資格には下記の記載があります。

「なお、法附則第2条第2項の受験資格の特例が終了することに伴い、令和4年7月17日(日曜日)実施の公認心理師試験においては、令和4年9月14日(水曜日)までに5年の実務経験を満たす見込みの者も該当する者とする(以下「見込受験」という。)」

これはGルートの実務経験5年の計算において令和4年9月14日までに実務経験が5年になるのであれば、受験資格を与えるということです。

令和4年9月14日までに実務経験が5年になる方はGルートで受験できるので、急いで公認心理師現任者講習会を受講することをおススメします。

現任者講習会は令和4年2月8日まで「一般社団法人日本ウェルフェアサービス協会」でお申込みができます。

この団体が行っている現任者講習会が最後です。

こちらの団体にも飛べる厚生労働省の令和3年度開催公認心理師現任者講習会のリンクを貼っておきます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16528.html

受験手続(一部抜粋)

Gルートの見込受験においては、実務経験5年を満たす見込みの実務経験証明書が必要です。

さらに、「なお、実務経験5年を満たす見込みの実務経験証明書を提出した者にあっては、令和4年9月11日(木曜日)から同年9月30日(金曜日)(消印有効)の期間に実務経験5年を満たした実務経験証明書を提出すること。」との記載があります。

受験申込書類の受付期間、提出場所等

受験申込書類は、令和4年3月7日(月曜日)から同年4月6日(水曜日)(消印有効)までの間に、日本心理研修センターの指定先に簡易書留郵便にて提出となります。

ただし、「受験申込書類は、令和4年4月6日(水曜日)(消印有効)までに簡易書留郵便により提出されたものに限り受け付ける。」との記載がありますので、注意が必要です。

受験手数料

受験手数料は、28,700円です。

日本心理研修センター所定の3連式払込用紙を用い、ゆうちょ銀行の窓口での払込みにより納付することになります。

受験票の交付

受験票は、令和4年6月24日(金)に投函され郵送により交付されます。

合格発表

合格者の発表は、令和4年8月26日(金)に日本心理研修センターのホームページに合格者の受験番号を掲載すること(14時予定)によって行われます。

そして、合格者には公認心理師試験合格証書が令和4年8月26日(金)に投函され郵送により交付されます。

ただ、見込受験の人については下記の記載があります。

「5の(8)に該当する者で、実務経験5年を満たす見込みの実務経験証明書を提出したものについては、令和4年9月14日(水曜日)までに受験資格を満たすことを条件として合格させることとし、実務経験5年を満たした実務経験証明書が提出された日以降に合格証書を投函し郵送により交付する。令和4年9月30日(金曜日)までに当該証明書の提出がないときは、当該受験を無効とする。」

その他

「試験の詳細については、センターが発行する「受験の手引」を参照すること。」

さらに、「受験に際し、障害がある等のために別室の確保、手話通訳者の付与、点字による出題等、何らかの配慮を希望する者はセンターのホームページから申請書類をダウンロードし、受験申込書類とは別に令和4年3月7日(月曜日)から同年4月6日(水曜日)(消印有効)までの間に、センターの指定先に申請書類を提出すること。」となっています。

試験に関する照会先

一般財団法人日本心理研修センター

〒112-0006

東京都文京区小日向4-5-16ツインヒルズ茗荷谷10階

試験案内専用電話番号:03(6912)2655

ホームページ:http://shinri-kenshu.jp/

まとめ

いかがだったでしょうか?

官報とは何なのか、そして、2022年1月25日の官報で公示された内容について解説しました。

試験日や願書の受付期間が決まり、いよいよ試験が近づいてきました。

本格的に試験勉強をはじめましょう。

第5回公認心理師試験のブループリント【前回からの変更点も一目瞭然】

第5回公認心理師試験のブループリント【前回からの変更点も一目瞭然】

第5回公認心理師試験の出題基準、ブループリントが公表されています。

これらの情報をいつでもどこでも見られるように、一覧表を作成しました。

第4回試験のブループリントから追加、変更されたキーワードも一目でわかるようになっています。

第5回公認心理師試験のブループリント

試験全体の問題数は、154問を想定しています。

赤文字のキーワードは、第4回公認心理師試験の出題基準・ブループリントから追加されたものです。

青文字のキーワードは、第4回公認心理師試験の出題基準・ブループリントにあったキーワードから名称が変わったもののほぼ同じものを指していると考えられるものです。

例:実践的研究 → 実践的研究法

※項目が移動しただけのキーワードについては色を付けていません。

大項目 中項目 小項目(キーワードの例) 割合
1 公認心理師としての職責の自覚 (1)公認心理師の役割 公認心理師法 9%
13.9問
公認心理師の定義
(2)公認心理師の法的義務及び倫理 信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、関係者等との連携等、資質向上の責務
倫理的ジレンマ
多重関係
(3)心理に関する支援を要する者(以下「要支援者」という。)等の安全の確保と要支援者の視点

リスクアセスメント
危機介入
自殺予防
虐待への対応
(4)情報の適切な取扱い 秘密保持義務、個人情報保護法関連5法、専門家間の情報共有、業務に関する記録の適切な保管、インフォームド・コンセント、プライバシー保護
(5)保健医療、福祉、教育その他の分野における公認心理師の具体的な業務 心理検査
心理療法
チーム医療
多職種連携
カウンセリング
2 問題解決能力と生涯学習 (1)自己課題発見と解決能力 心理職のコンピテンシー
(2)生涯学習への準備 心理職の成長モデル
スーパービジョン
3 多職種連携・地域連携

多職種連携・地域連携の意義及びチームにおける公認心理師の役割

保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働との連携
家族との連携
自己責任と自分の限界
支援に関わる専門職と組織
アドバンス・ケア・プランニング<ACP>  
4 心理学・臨床心理学の全体像 (1)心理学・臨床心理学の成り立ち 要素主義、ゲシュタルト心理学、精神分析学、行動主義、新行動主義 3%
4.6問
認知心理学、認知神経科学
科学者ー実践者モデル<scientist-practitioner model>
生物心理社会モデル[biopsychosocial model<BPS>]
精神力動アプローチ、認知行動アプローチ、人間性アプローチ
ナラティブ・アプローチ
社会構成主義
(2)人の心の基本的な仕組みとその働き 感覚、知覚
記憶、学習、言語、思考
動機づけ、感情、情動
個人差
社会行動
発達
5 心理学における研究 (1)心理学における実証的研究法 心理学における研究倫理 2%
3.1問
実験法、調査法、観察法、検査法、面接法
実践的研究法
(2)心理学で用いられる統計手法 分散分析、因子分析、重回帰分析構造方程式モデリング、多変量解析
テスト理論、メタ分析
(3)統計に関する基礎知識 尺度水準、度数分布、代表値、散布度、相関係数
仮説検定、点推定、区間推定、ノンパラメトリック検定
確率と確率分布、標本分布
6 心理学に関する実験 (1)実験計画の立案 文献研究、リサーチ・クエスチョン、仮説、目的、手続 2%
3.1問
実験参加者
刺激、材料、装置
(2)実験データの収集とデータ処理 実験法、調査法、観察法、検査法、面接法
データ解析
(3)実験結果の解釈と報告書の作成 結果、考察
引用方法と引用文献
7 知覚及び認知 (1)人の感覚・知覚の機序及びその障害


心理物理学 2%
3.1問
明るさと色の知覚、空間(運動、奥行き)の知覚、物体・シーンの知覚
音と音声の知覚
味覚、嗅覚、触覚
体性感覚、自己受容感覚、多感覚統合
注意、意識
知覚の可塑性
脳機能計測技術
知覚・認知機能の障害
(2)人の認知・思考の機序及びその障害 ワーキングメモリ、短期記憶、長期記憶
推論(演繹的推論、帰納的推論)
思考、問題解決
意思決定
潜在記憶、プライミング
記憶障害
8 学習及び言語 (1)人の行動が変化する過程 初期学習(刻印付け、臨界期、生得的触発機構) 2%
3.1問
古典的条件付け、オペラント条件付け
恐怖条件付け、嫌悪条件付け
馴化、鋭敏化
般化、弁別、転移
逃避学習、回避学習
試行錯誤、洞察学習、潜在学習、社会的学習(観察、モデリング)
学習の生物学的基礎
(2)言語の習得における機序 意味論・語用論、統語論、音韻論、形態論
認知言語学、社会言語学
ナラティブ、談話、会話、コミュニケーション
N.Chomskyの言語理論(普遍文法、生成文法、言語獲得装置)
言語獲得支援システム
語彙獲得(共同注意、認知的制約)
言語発達過程
失語症(Wernicke失語、Broca失語)
ディスレクシア(読字障害)
9 感情及び人格 (1)感情に関する理論と感情喚起の機序 感情に関する神経科学 2%
3.1問
認知的評価理論、構成主義理論、次元論、基本感情論
感情の進化
感情の機能
感情、情動、気分
(2)感情が行動に及ぼす影響 感情の表出
感情と認知・情報処理
感情と社会・文化
感情の発達、感情の個人差(感情特性)
感情と心身の健康
感情制御
感情と動機づけ
(3)人格の概念及び形成過程 人格、パーソナリティ、性格、気質
状況、認知、感情、行動
状況論、相互作用論、社会的認知理論
一貫性論争(人間ー状況論争)
人格の形成過程(連続性と変化、遺伝要因、環境要因)
(4)人格の類型、特性 類型論、特性論
5因子モデル
語彙アプローチ、ナラティブ・アプローチ、人間心理学的アプローチ、個人差、測定、検査、尺度、アセスメント
パーソナリティ障害
10 脳・神経の働き (1)脳神経系の構造と機能 中枢神経(ニューロン、シナプス、グリア、脳脊髄液)、抹消神経 2%
3.1問
機能局在(大脳皮質、辺縁系、視床、視床下部)
自律神経(交感神経、副交感神経)
睡眠、摂食行動、情動行動、性行動、サーカディアンリズム
神経伝達物質(受容体、グルタミン酸、GABA、アセチルコリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン、オピオイド類)
(2)記憶、感情等の生理学的反応の機序 意識、知覚、記憶、感情
体温、皮膚電位図、筋電図、心電図
脳波、事象関連電位
局所脳血流変化
(3)高次脳機能の障害と必要な支援 失語、失行、失認
記憶障害、遂行機能障害、注意障害、社会的行動障害
高次脳機能障害の原因
リハビリテーション、生活訓練、就労移行支援
11 社会及び集団に関する心理学 (1)対人関係並びに集団における人の意識及び行動についての心の過程 個人内過程、集団過程 2%
3.1問
コミュニケーション、ソーシャル・スキル対人ストレス
親密な対人関係
社会的影響
社会的ジレンマ、社会的アイデンティティ
ソーシャルネットワーク、ソーシャル・サポート
集合現象
集団、組織
(2)人の態度及び行動 社会的自己、自己過程、態度、帰属
社会的感情、社会的動機
社会的認知、対人認知、印象形成、社会的推論
対人行動、対人的相互作用
(3)家族、集団及び文化が個人に及ぼす影響 結婚、夫婦関係、家族関係
育児、養育信念、家族の情動的風土
不適切な養育
家庭内暴力、夫婦間暴力<DV、IPV>
家族システム論
家族療法
生態学的システム論
個人主義、集団主義、文化的自己観
異文化適応、異文化間葛藤
12 発達 (1)認知機能の発達及び感情・社会性の発達 J.Piagetの発達理論、L.S.Vygotskyの発達理論 5%
7.7問
知能指数、知能の構造(多重知能)
乳児に対する実験法(選好注視法、馴化・脱馴化法、期待違反法)
心の理論、メンタライゼーション
共感性、向社会的行動、協調性
感情制御、自己制御
道徳性、規範意識
実行機能
素朴理論
感情知性
(2)自己と他者の関係の在り方と心理的発達

アタッチメント、内的作業モデル
気質と環境
相互規定的作用モデル<transactional model>
社会化と個性化
対人関係の発達(仲間関係、友人関係、異性関係)
自己概念、自己意識、自我同一性
ジェンダーとセクシャリティ(性的指向、性自認)
向社会性、非社会性、反社会性
(3)生涯における発達と各発達段階での特徴 生涯発達の遺伝的基盤
ライフサイクル論
胎児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、中年期、老年期
恋愛、結婚、家族形成
職業意識とライフコース選択
親としての発達
中年期危機
生成継承性<generativity>
(4)非定型発達 神経発達症群/神経発達障害群
自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害<ASD>
注意欠如多動症/注意欠如多動性障害<AD/HD>
限局性学習症/限局性学習障害<SLD>
発達性協調運動症/発達性協調運動障害
Asperger症候群
知的能力障害
アタッチメント障害(反応性アタッチメント障害/反応性愛着障害、脱抑制型対人交流障害)
早産、低出生体重児
成長障害<FTT>(器質性、非器質性)
非定型発達に対する介入及び支援
(5)高齢者の心理社会的課題と必要な支援 平均寿命、健康寿命、加齢のメカニズム
加齢による心身機能の変化、終末低下
社会的離脱、活動持続、補償を伴う選択的最適化
喪失と悲嘆、独居・孤独、社会的サポート(ソーシャルコンボイ)
認知症、日常生活動作<ADL>、介護、被介護
生活の質[quality of life<QOL>]、ウェルビーイング、エイジングパラドックス<aging paradox>
サクセスフルエイジング(高齢者就労、社会的参加)
13 障害者(児)の心理学 (1)身体障害、知的障害及び精神障害 国際障害分類<ICIDH>、国際生活機能分類<ICF> 3%
4.6問
精神疾患の診断分類・診断基準<ICD-10、DSM-5>
アセスメント
発達障害
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律<障害者総合支援法>、発達障害者支援法、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律<精神保健福祉法>
(2)障害者(児)の心理社会的課題と必要な支援 障害者(児)の基本的権利、合理的配慮
リハビリテーション
療育、特別支援教育
就労支援、ソーシャル・スキルズ・トレーニング<SST>
応用行動分析、認知行動療法、TEACCH
ペアレントトレーニング
14 心理状態の観察及び結果の分析 (1)心理的アセスメントに有用な情報(生育歴や家族の状況等)とその把握の手法等 テストバッテリー、アセスメント 8%
12.3問
ケース・フォーミュレーション
機能分析
インフォームド・コンセント
診断的評価、精神疾患の診断分類・診断基準<ICD-10、DSM-5>
半構造化面接
インテーク面接、査定面接
司法面接
生物心理社会モデル[biopsychosocial model<BPS>]
(2)関与しながらの観察  
(3)心理検査の種類、成り立ち、特徴、意義及び限界 自然観察法、実験観察法
質問紙法、投影法、描画法、作業検査法、神経心理学的検査
知能検査
発達検査
(4)心理検査の適応、実施及び結果の解釈  実施上の留意点
(5)生育歴等の情報、行動観察、心理検査の結果等の統合と包括的な解釈  
(6)適切な記録、報告、振り返り等 アセスメント結果のフィードバック
15 心理に関する支援(相談、助言、指導その他の援助) (1)代表的な心理療法並びにカウンセリングの歴史、概念、意義及び適応 心理療法 6%
9.2問
精神力動理論、認知行動理論、人間性アプローチ、集団療法
(2)訪問による支援や地域支援の意義 アウトリーチ(多職種による訪問支援)
緩和ケア、終末期ケア(グリーフケアを含む。)
自殺予防
災害時における支援
地域包括ケアシステム
コミュニティ・アプローチ、コンサルテーション
(3)要支援者の特性や状況に応じた支援方法の選択、調整 援助要請
カウンセリング、転移、逆転移
エビデンスベイスド・アプローチ
生物心理社会モデル[biopsychosocial model<BPS>]
エンパワメント
ナラティブ・アプローチ、ストレングス
(4)良好な人間関係構築のためのコミュニケーション 共感的理解、傾聴、作業同盟
(5)心理療法及びカウンセリングの適用の限界 効果研究、メタ分析
動機づけ面接
負の相補性<negative-complementarity>
(6)要支援者等のプライバシーへの配慮 個人情報の保護に関する法律<個人情報保護法>、個人の尊厳と自己決定の尊重、インフォームド・コンセント
16 健康・医療に関する心理学 (1)ストレスと心身の疾病との関係 生活習慣と心の健康(生活習慣病、ストレス反応)、ライフサイクルと心の健康 9%
13.9問
ストレス症状(うつ症状、依存、燃え尽き症候群<バーンアウト>を含む。)
心身症(タイプA型行動パターン、アレキシサイミア(失感情症)を含む。)
予防の考え方(Caplanモデル)
(2)医療現場における心理社会的課題と必要な支援 精神疾患
遺伝性疾患、遺伝カウンセリング
がん、難病
後天性免疫不全症候群<AIDS>
医療倫理、患者安全
チーム医療と多職種連携の実践
リエゾン精神医学<精神科コンサルテーション>
QOL<quality of life>
(3)保健活動における心理的支援 発達相談
うつ、自殺対策、職場復帰支援
依存症(薬物、アルコール、ギャンブル等)
認知症高齢者
ひきこもり
(4)災害時等の心理的支援 心理的応急処置<サイコロジカル・ファーストエイド>
心のケアチーム、災害派遣精神医療チーム<DPAT>
支援者のケア
17 福祉に関する心理学 (1)福祉現場において生じる問題とその背景 福祉の基本理念 9%
13.9問
少子高齢化、貧困
知的障害、身体障害、精神障害
要保護児童、養育困難
児童虐待の種類(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待)
夫婦間暴力<DV、IPV>
認知症、軽度認知障害[mild cognitive impairment<MCI>]
高齢者虐待、エイジズム<ageism>
高齢者の心理(認知の予備力<cognitive reserve>、エイジング・パラドックス<aging paradox>、高齢者の意思決定と詐欺被害、「こころ」の加齢モデル)
(2)福祉現場における心理社会的課題と必要な支援方法 愛着形成の阻害、誤学習、衝動制御困難、感情調節困難
心的外傷後ストレス障害<PTSD>、解離、喪失、二次障害
子育て支援、環境調整、虐待への対応、社会的養護、里親、養子縁組
障害受容、障害者支援、合理的配慮、共生社会、ノーマライゼーション
アドバンス・ケア・プランニング<ACP>、人生会議
統合的心理療法、心理教育
専門職・行政・団体等の役割と連携
(3)虐待、認知症に関する必要な支援 包括的アセスメント、リスクアセスメント
生活の中の治療被虐待児への心理療法
親子関係調整、家族支援、家族再統合
アウトリーチ(多職種による訪問支援)
認知症の行動・心理症状[behavioral and psychological symptoms of dementia<BPSD>]
高齢者に関する心理検査(改訂長谷川式簡易知能評価スケール<HDS-R>、精神状態短時間検査-改訂日本版<MMSE-J>、clinical dementia rating<CDR>
認知症の人に対する心理支援(回想法・ライフレビュー、応用行動分析的アプローチ、認知リハビリテーション、認知機能の活性化、診断前後の支援、認知症の予防と共生)
関係者に対する心理支援(家族介護者・介護職への支援、養護者・養介護施設従事者等への支援)
18 教育に関する心理学 (1)教育現場において生じる問題と背景 動機づけ 9%
13.9問
自己効力感
原因帰属
適性処遇交互作用
学力、学習方略、アクティブラーニング
不登校、いじめ、非行
生徒指導、進路指導、キャリアガイダンス、学校文化、教師-生徒関係
(2)教育現場における心理社会的課題と必要な支援 特別支援教育
スクールカウンセリング
教育関係者へのコミュニケーション、コラボレーション
学校におけるアセスメント
学校危機支援
チーム学校
学生相談
教育評価
19 司法・犯罪に関する心理学 (1)犯罪、非行、犯罪被害及び家事事件に関する基本的事項 犯罪、少年非行 5%
7.7問
犯罪予防、再犯予防
犯罪捜査場面における心理学
裁判員裁判
医療観察制度
犯罪被害者支援
面会交流
(2)司法・犯罪分野における問題に対して必要な心理的支援 非行・犯罪の理論
非行・犯罪のアセスメント
施設内処遇と社会内処遇
反抗挑発症/反抗挑戦性障害、素行症/素行障害、反社会性パーソナリティ障害
被害者の視点を取り入れた教育
動機づけ面接法
司法面接
20 産業・組織に関する心理学 (1)職場における問題に対して必要な心理的支援


過労死・過労自殺、ハラスメント、労働災害 5%
7.7問
職場復帰支援、障害者の就労支援
キャリア形成、キャリア支援
働き方改革、ダイバーシティ、ワークライフバランス、両立支援(仕事と家庭、治療と仕事)、ワーク・エンゲイジメント
労務管理でのコンサルテーション
職場のメンタルヘルス対策
ストレスチェック制度
(2)組織における人の行動 リーダーシップ
安全文化
動機づけ理論
組織風土と文化
21 人体の構造と機能及び疾病 (1)心身機能、身体構造及びさまざまな疾病と障害 解剖学、生理学 4%
6.2問
加齢(身体、心理、精神機能の変化)
主要な症候(めまい、倦怠感、呼吸困難等)
(2)心理的支援が必要な主な疾病 がん、難病
遺伝性疾患
後天性免疫不全症候群<AIDS>
脳血管疾患
脳卒中後遺症、循環器疾患、内分泌代謝疾患
依存症(薬物、アルコール、ギャンブル等)
移植医療、再生医療
サイコオンコロジー<精神腫瘍学>
緩和ケア、終末期ケア(グリーフケアを含む。)
22 精神疾患とその治療 (1)代表的な精神疾患の成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援 主な症状と状態像(抑うつ、不安、恐怖、幻覚、妄想等) 5%
7.7問
精神疾患の診断分類・診断基準<ICD-10、DSM-5>
症状性を含む器質性精神障害(F0、ICD-10のコード番号、本中項目において以下同じ。)
精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F1)
統合失調症、統合失調型障害及び妄想性障害(F2)
気分(感情)障害(F3)
神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(F4)
生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群(F5)
成人のパーソナリティ及び行動の障害(F6)
精神遅滞[知的障害](F7)
心理的発達の障害(F8)
小児期及び青年期に通常発症する行動並びに情緒の障害特定不能の精神障害(F9)
行動観察、評定尺度
知能検査、神経心理学的検査、脳波検査、神経画像検査、発達検査、認知機能検査
薬物療法、作業療法、心理療法
地域移行、自助グループ
アドヒアランス
(2)向精神薬をはじめとする薬剤による心身の変化 薬理作用
薬物動態
有害事象、副作用(錐体外路症状、抗コリン作用、依存耐性、賦活症候群等)
向精神薬(抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗精神病薬、気分安定薬、抗認知症薬、精神刺激薬等)
薬剤性精神障害
(3)医療機関への紹介 精神科等医療機関へ紹介すべき症状
23 公認心理師に関係する制度 (1)保健医療分野に関する法律、制度 医療法、医療計画制度、診療録、保険診療制度 6%
9.2問
高齢者の医療の確保に関する法律
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律<精神保健福祉法>
自殺対策基本法
健康増進法
地域保健法、母子保健法
民法(説明義務、注意義務、過失)
医療保険制度、介護保険制度
医療の質、医療事故防止、院内感染対策
(2)福祉分野に関する法律、制度 児童福祉法
老人福祉法
児童虐待の防止等に関する法律<児童虐待防止法>
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律<障害者総合支援法>、障害福祉計画
発達障害者支援法
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律<障害者差別解消法>
障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律<障害者虐待防止法>
障害者基本法
高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律<高齢者虐待防止法>
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律<DV防止法>
生活保護法
生活困窮者自立支援法
成年後見制度の利用の促進に関する法律
配偶者暴力相談センター、児童相談所、福祉事務所、地域包括支援センター
(3)教育分野に関する法律、制度 教育基本法、学校教育法
学校保健安全法
いじめ防止対策推進法
教育相談所、教育支援センター
特別支援教育、通級
(4)司法・犯罪分野に関する法律、制度 刑事法、刑事司法制度、少年司法制度
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律<医療観察法>
犯罪被害者等基本法
更生保護制度
裁判員裁判
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約<ハーグ条約>
家庭裁判所、保護観察所、刑事施設、少年鑑別所、少年院、児童自立支援施設
更生保護施設、地域生活定着支援センター、自立更生促進センター
(5)産業・労働分野に関する法律、制度 労働基準法、労働安全衛生法、労働契約法、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律<労働者派遣法>
障害者の雇用の促進等に関する法律<障害者雇用促進法>
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律<男女雇用機会均等法>
労働者の心の健康の保持増進のための指針
心理的負担による精神障害の認定基準
職場におけるハラスメント防止対策、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律<労働施策総合推進法>
24 その他(心の健康教育に関する事項等) (1)具体的な体験、支援活動の専門知識及び技術への概念化、理論化、体系化   2%
3.1問
(2)実習を通じた要支援者等の情報収集、課題抽出及び整理  
(3)心の健康に関する知識普及を図るための教育、情報の提供 健康日本21、こころの健康対策[うつ病、薬物依存症、心的外傷後ストレス障害<PTSD>]
自殺の予防
心理教育
支援者のメンタルヘルス

【衝撃】第4回公認心理師試験の合格率が明らかに【第5回も予測】

【衝撃】第4回公認心理師試験の合格率が明らかに【第5回も予測】

第4回公認心理師試験の合格率について知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか?

また、第5回試験の合格率がどうなるのか知りたい人もいると思います。

この記事を読むことで第4回公認心理師試験の合格率、さらに第5回公認心理師試験の合格率がどうなるのかが分かります。

第4回公認心理師試験の合格率

第4回公認心理師試験の合格率

第4回公認心理師試験については、次のような結果でした。

第4回公認心理師試験の合格率

受験者数が21,055人、合格者数が12,329人、全体の合格率は58.6%でした。

第4回公認心理師試験の試験問題を入手し実際に解いてみて、合格率は60%を超えてくると思っていたので意外でした。

ただ、合格基準が下記のように変更されていました。

第4回公認心理師試験の合格基準

これまでの試験では合格基準が138点以上だったのが、第4回試験では143点以上に変更されています。

そのため、合格率が下がったものと考えています。

もし、合格基準が138点以上であれば、合格率は60%は超えていたと思います。

もっと言うと、65%を超えていたんじゃないかなと思っています。

受験区分別の受験者数、合格者数、合格者の割合、合格率は次の通りです。

第4回公認心理師試験の受験区分毎の合格率

受験区分別ではCの合格率が75.0%、D1が67.3%、D2が68.6%、Eが85.5%、Fが94.7%、Gが55.7%でした。

ここからは、受験区分毎に思ったことを書いていきます。

まず、Gルートの合格率が55.7%というのは意外でした。

全体の合格率が60%は超えてくると思っていましたし、全体の大部分を占めるGルートも60%を超えてくると思っていました。

それからGルートの受験者数も予想よりも少ないと感じました。

第3回試験を見送った人が第4回試験を受験し、受験者数はもっと多いと思っていました。

また、受験区分Eの合格率が85.5%と第3回試験に続き非常に高いです。

受験区分Eは大学院を修了したばかりなので 、合格率が高くなっていると考えられます。

ただ、大学院を修了したばかりで合格率が85.5%というのは、同じく大学院修了後に試験を受ける臨床心理士試験と比べても高すぎる気がします。

臨床心理士試験の合格率は、毎年60%ぐらいです。

そう考えると、合格率85.5%というのはかなり高い合格率です。

さらに、人数はかなり少ないですがFルートの受験者がいます。

Fルートは、大学卒業後に特定の施設で実務経験を積んで公認心理師試験を受験できるルートです。

毎年このくらいの受験者数になるのでしょうか。

それから、Fルートの受験者が存在するのにBルートの受験者が存在しないのも意外でした。

Bルートは、大学卒業後にFルートと同じ施設で実務経験を積んで公認心理師試験を受験できるルートです。

そのため、少数ですがFルートの受験者がいるのであればBルートの受験者もいると思っていました。

ここまで全体の合格率、区分別の合格率を見てきましたが、振り返ってみても合格基準が変わったインパクトが大きすぎます!

正直、合格基準は変わらないと思っていたので・・・とにかく驚きました!

合格基準の変更が合格率に大きな影響を与えています。

第5回公認心理師試験の合格率はどうなるのか?

第5回公認心理師試験の合格率はどうなるのか?

ここからは第5回公認心理師試験がどうなるのかについて解説します。

公認心理師試験は合格率60%を目指しているのではないか

昔、本かインターネットで理想の試験についての記事を読んだことがあります。

そこには、理想の試験は合格率60%の試験であると書かれていました。

得点率60%だったのかもしれません・・・

すみません、記憶が定かではありません(笑)

また、公認心理師Aルートと同じく大学院修了後にある臨床心理士試験の合格率は毎年60%程度です。

これらの理由から、試験運営側としては公認心理師試験を合格率60%の試験にしたいとの思惑があるではないかと思っています。

この点を踏まえ、これまでの公認心理師試験の合格率について振り返りたいと思います。

公認心理師試験の合格率の推移

合格率は第1回試験が79.6%、第1回追加試験が64.5%、第2回試験が46.4%、第3回試験が53.4%、第4回試験が58.6%でした。

ここからは当時の状況を整理するとともに、試験運営側の思惑を推測したいと思います。

第1回試験の合格率は79.6%と非常に高い合格率でした。

問題数も配点も分からず過去問も無い中でのはじめての国家試験でした。

第1回追加試験の合格率は64.5%でした。

問題数、配点、合格点などが分かっていることもあってか第1回試験に比べ難しくなっているのが分かります。

そして、第2回試験が行われます。

第1回試験、第1回追加試験が終わり試験について明らかになるとともに試験対策本などが出版されたこともあってか過去最低の合格率でした。

このときの状況としては公認心理師試験の問題数、配点、合格点などが明らかになるとともに過去問も2回分あり、さらに試験対策本も出版されている状況です。

試験運営側としては試験の難易度を上げ、合格率が上がるのを防ぎたかったのではないかと思っています。

その結果、第2回試験の合格率は46.4%でした。

試験運営側としては思ったよりも合格率が低かった。

そのため、第3回試験では難易度を下げ合格率を上げようとします。

その結果、第3回試験の合格率は53.4%でした。

第2回試験の合格率の低さを受けて、第3回試験で難易度を下げますがまだ合格率は60%に到達しません。

そこで、第4回試験では難易度をさらに下げて合格率を上げようとします。

しかし、第4回試験では難易度を下げ過ぎてしまい合格率が高くなり過ぎてしまった。

そのため、第4回試験では合格基準を変更した。

その結果、第4回試験の合格率は58.6%となった。

もちろん、あくまで推測ですので本当のところは分かりません(笑)

ただ、第5回試験で合格基準を変えてきたこともあり、合格率60%を目指しているというのも現実味を帯びてきませんか?

第5回公認心理師試験は合格基準138点以上で合格率60%を目指すのではないか

試験の合格率を60%にしたいとすると、第4回試験の合格率はある程度妥当ということになります。

ただ、第4回試験では合格基準を138点以上から143点以上に変更して合格率58.6%でした。

おそらく、日本心理研修センターにはたくさんのクレームがあったと思います(笑)

そう考えると、理想は合格基準138点以上で合格率60%の試験でしょう。

試験運営側としてはココを目指してくると思います。

ちなみに、第1回試験から第4回試験までの合格率の平均は60.5%になります。

現任者が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後

現任者が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後

ここまで解説しておきながら、合格率がどうなるかはあくまで予測に過ぎません。

そして、合格率がどうなろうと現任者(Gルート)が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後です。

また、公認心理師試験において大学・大学院レベルの心理学は必須で習得に時間が掛かります。

このことについて深掘りします。

公認心理師試験に大学や大学院レベルの心理学は必須で習得に時間が掛かる

現任者の中には現任者講習会を受講して少し勉強しさえすれば割と簡単に公認心理師資格を取得できると思っている人もいたかもしれません。

しかし、過去の公認心理師試験の合格率を見てもらえれば分かるように、簡単に合格できる試験ではありません。

公認心理師試験では、大学や大学院レベルの心理学は必須だと考えています。

もちろん、それ以外の知識も必要です。

しかし、まず大学や大学院レベルの心理学という土台があって、その上にそれ以外の知識も必要だと考えています。

そして、大学や大学院レベルの心理学はすぐに習得できるものではありません。

大学と大学院で習得する6年分の知識を習得するのには、それなりに時間が掛かります。

そのため、早めに準備することをおススメします。

お仕事などで勉強時間を確保することが難しい場合は、予備校を利用してみても良いでしょう。

現任者が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後

現任者がGルートで受験できるのは、移行期間である第5回公認心理師試験までです。

現任者講習会については、令和3年度開催公認心理師現任者講習会が最後となります。

令和3年度開催公認心理師現任者講習会についての詳細は【令和3年度】公認心理師現任者講習会は2021年7月から開催をご覧ください。

この機会を逃すと、Gルートでの受験はできなくなります。

もちろん、移行期間が終わった後でもAルートで公認心理師資格を取得することはできます。

しかし、その場合は大学と大学院の合わせて6年分の学費と時間が必要です。

そう考えると、第5回試験で合格を目指した方が良いと思います。

一方、第5回試験で落ちるとGルートで公認心理師試験を受験することは二度とできません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

第4回公認心理師試験の合格率、第5回公認心理師試験の合格率がどうなるのか、現任者が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後であることについて解説しました。

まとめると

第4回公認心理師試験の合格率

  • 全体で58.6%
  • 合格基準が138点から143点に変更されたため、合格率に影響を与えている
  • 区分Cが75.0%、D1が67.3%、D2が68.6%、Eが85.5%、Fが94.7%、Gが55.7%

第5回公認心理師試験の合格率はどうなるのか?

  • 公認心理師試験は合格率60%を目指しているのではないか
  • 第5回公認心理師試験は合格基準138点以上で合格率60%を目指すのではないか

現任者が受験できるのは第5回公認心理師試験が最後

  • 公認心理師試験に大学や大学院レベルの心理学は必須で習得に時間が掛かる
  • 現任者が受験できるのは第5回試験までなので、第5回試験で合格を目指すのがおススメ

【令和3年度】公認心理師現任者講習会は2021年7月から開催

【令和3年度】公認心理師現任者講習会は2021年7月から開催

令和3年度の公認心理師現任者講習会の日程を知りたい人も多いのではないでしょうか?

これまでの現任者講習会では早い者勝ちで席が埋まることもあったので、いかに早く情報を持っているかが重要になります。

この記事を読むことで令和3年度の現任者講習会の日程、さらに現任者講習会までにできることが分かります。

令和3年度開催公認心理師現任者講習会

令和3年度開催公認心理師現任者講習会

まず、令和3年度の現任者講習会が開催される時期、現任者講習会の実施団体を知る方法を解説します。

令和3年度開催公認心理師現任者講習会は令和3年7月1日~令和4年2月28日に開催

令和3年度開催公認心理師現任者講習会の大枠は厚生労働省のホームページに記載されています。

上記ページの「3 通知等」の中に「令和3年度公認心理師現任者講習会実施要領」があり、1ページ目に下記の記載があります。

2 実施時期


現任者講習会は、令和3年7月1日から令和4年2月28日までの期間に実施すること。

厚生労働省:令和3年度公認心理師現任者講習会実施要領

つまり、令和3年度の現任者講習会は令和3年7月1日~令和4年2月28日までに開催されます。

令和2年が6か月間だったのに対し、令和3年は8か月間という期間を設けています。

令和3年は、公認心理師の経過措置の最終年です。

現任者講習会も最後になりますので、少し長めに期間を取っているのかもしれませんね。

Gルートの現任者は現任者講習会を受講しなければ公認心理師試験の受験資格が認められませんので、忘れずに受講する必要があります。

令和3年度開催公認心理師現任者講習会の実施団体は厚生労働省のホームページに掲載

現任者講習会は、厚生労働省から指定を受けた団体が実施します。

各団体は、厚生労働省に現任者講習会の実施団体として申請し、厚生労働省から指定を受けることで現任者講習会を実施することができます。

令和3年度の現任者講習会については、厚生労働省の令和3年度開催公認心理師現任者講習会に「講習会の実施団体一覧」が掲載されています。

2022年1月5日現在、12団体が指定されています。

かなり前に厚生労働省に確認したのですが、これ以上実施団体が増えることはないとのことでした。

つまり、この「講習会の実施団体一覧(指定順)」の12団体が実施する現任者講習会が最後の現任者講習会になります。

令和3年度の公認心理師現任者講習会までにできること

令和3年度の公認心理師現任者講習会までにできること

次に、令和3年度開催公認心理師現任者講習会を受講するまでにできることを解説します。

公認心理師現任者講習会テキスト[改訂版]を読む

現任者講習会に参加する際に、現任者講習会テキストが必要になります。

2019年9月9日に公認心理師現任者講習会テキスト[改訂版]が販売されています。

ちなみに、現任者講習会テキストには2018年版、2019年版もあります。

すでに厚生労働省から令和3年度の現任者講習会の指定を受けている実施団体のホームページを見ると、改訂版をテキストとして使うところがほとんどのようです。

ただ、どのテキストを使用するかは自分が受講する現任者講習会の実施団体のホームページなどで確認しましょう。

そして、今からできることとして現任者講習会までに現任者講習会テキストを読んでおくことができます。

公認心理師現任者講習会テキストについては【納得】公認心理師現任者講習会テキストはこう使うべしで解説しています。

ただし、現任者講習会は試験対策にはならない

これは第1回公認心理師試験が実施される前の話ですが、現任者講習会から試験問題が出題されるという噂がありました。

つまり、現任者講習会が試験対策になるという話です。

しかし、現任者講習会は試験対策にはなりません。

このことは、日本心理研修センターもホームページ上で明言しています。

現任者講習会が試験対策にならないことは【必須】現任者は公認心理師現任者講習会の受講が必須という話で解説しています。

現任者講習会は試験対策にはなりませんが、現任者講習会テキストは公認心理師や公認心理師試験の全体像を掴むのには適していると思います。

ただ、現任者講習会テキストにさまざまなキーワードが記載されていますが、それぞれのキーワードの詳細については記載されていません。

そのため、現任者講習会テキストに記載されているキーワードの詳細については、自分で勉強する必要があります。

令和3年度開催公認心理師現任者講習会の「講習会の実施団体一覧」から考えられること

令和3年度開催公認心理師現任者講習会の「講習会を実施する団体及び現在申請中の団体一覧」から考えられること

ここまで現任者講習会について説明しましたが、ここからは現任者講習会の「講習会の実施団体一覧」から考えられることを話します。

先程、令和3年度開催公認心理師現任者講習会の指定を受けた団体が12団体であることを説明しました。

これら12団体のうちホームページに定員を掲載している団体は、11団体です。

その11団体の定員を合計すると、約19,000人になります。

ここに残りの1団体の定員が加わることになります。

ちなみに、令和2年度のすべての公認心理師現任者講習会の定員を合計すると約17,000人でした。

つまり、令和3年度の公認心理師現任者講習会の受講者は令和2年の約17,000人から最低でも2,000人以上増えることになります。

そして、公認心理師現任者講習会の受講者が増加するということは、これまで以上にGルートの受験者が増加し、Gルートの合格率≒公認心理師試験の合格率となるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

令和3年度の公認心理師現任者講習会の日程、現任者講習会までにできること、さらに第5回公認心理師試験の受験者数について解説しました。

まとめると

令和3年度開催公認心理師現任者講習会

  • 令和3年度開催公認心理師現任者講習会は令和3年7月1日~令和4年2月28日に開催
  • 現任者講習会の実施団体は厚生労働省のホームページに掲載

令和3年度の公認心理師現任者講習会までにできること

  • 公認心理師現任者講習会テキスト[改訂版]を読みこむ
  • ただし、現任者講習会は試験対策にならない
  • 現任者講習会テキストは試験の全体像を掴むのに適しているが、試験対策としては不十分

令和3年度開催公認心理師現任者講習会の「講習会の実施団体一覧」から考えられること

  • 公認心理師現任者講習会の受講者が増え、Gルートの合格率≒公認心理師試験の合格率となる

公認心理師の移行期間は、令和3年までです。

Gルートで受験予定の方は、早めに公認心理師現任者講習会を受講することをおススメします!

第4回公認心理師試験のブループリント【第3回との違いも一目瞭然】

第4回公認心理師試験のブループリント【第3回との違いも一目瞭然】

第4回公認心理師試験の出題基準、ブループリントが公表されています。

これらの情報をいつでもどこでも見られるように、一覧表を作成しました。

第3回試験のブループリントから追加、変更されたキーワードも一目でわかるようになっています。

第4回公認心理師試験のブループリント

試験全体の問題数は、154問を想定しています。

赤文字のキーワードは、第3回公認心理師試験の出題基準・ブループリントから追加されたものです。

青文字のキーワードは、第3回公認心理師試験の出題基準・ブループリントにあったキーワードから名称が変わったもののほぼ同じものを指していると考えられるものです。

例:実践的研究 → 実践的研究法

※項目が移動しただけのキーワードについては色を付けていません。

大項目 中項目 小項目(キーワードの例) 割合
1 公認心理師としての職責の自覚 (1)公認心理師の役割 公認心理師法 9%
13.9問
公認心理師の定義
(2)公認心理師の法的義務及び倫理 信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、関係者等との連携等、資質向上の責務
倫理的ジレンマ
多重関係
(3)心理に関する支援を要する者(以下「要支援者」という。)等の安全の確保と要支援者の視点

リスクアセスメント
危機介入
自殺予防
虐待への対応
(4)情報の適切な取扱い 秘密保持義務、個人情報保護法関連5法、専門家間の情報共有、業務に関する記録の適切な保管、インフォームド・コンセント、プライバシー保護
(5)保健医療、福祉、教育その他の分野における公認心理師の具体的な業務 心理検査
心理療法
チーム医療
多職種連携
カウンセリング
2 問題解決能力と生涯学習 (1)自己課題発見と解決能力 心理職のコンピテンシー
(2)生涯学習への準備 心理職の成長モデル
スーパービジョン
3 多職種連携・地域連携

多職種連携・地域連携の意義及びチームにおける公認心理師の役割

保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働との連携
家族との連携
自己責任と自分の限界
支援に関わる専門職と組織
アドバンス・ケア・プランニング<ACP>  
4 心理学・臨床心理学の全体像 (1)心理学・臨床心理学の成り立ち 要素主義、ゲシュタルト心理学、精神分析学、行動主義、新行動主義 3%
4.6問
認知心理学、認知神経科学
科学者ー実践者モデル<scientist-practitioner model>
生物心理社会モデル[biopsychosocial model<BPS>]
精神力動アプローチ、認知行動アプローチ、人間性アプローチ
ナラティブ・アプローチ
社会構成主義
(2)人の心の基本的な仕組みとその働き 感覚、知覚
記憶、学習、言語、思考
動機づけ、感情、情動
個人差
社会行動
発達
5 心理学における研究 (1)心理学における実証的研究法 心理学における研究倫理 2%
3.1問
実験法、調査法、観察法、検査法、面接法
実践的研究法
(2)心理学で用いられる統計手法 分散分析、因子分析、重回帰分析構造方程式モデリング、多変量解析
テスト理論、メタ分析
(3)統計に関する基礎知識 尺度水準、度数分布、代表値、散布度、相関係数
仮説検定、点推定、区間推定、ノンパラメトリック検定
確率と確率分布、標本分布
6 心理学に関する実験 (1)実験計画の立案 文献研究、リサーチ・クエスチョン、仮説、目的、手続 2%
3.1問
実験参加者
刺激、材料、装置
(2)実験データの収集とデータ処理 実験法、調査法、観察法、検査法、面接法
データ解析
(3)実験結果の解釈と報告書の作成 結果、考察
引用方法と引用文献
7 知覚及び認知 (1)人の感覚・知覚の機序及びその障害


心理物理学 2%
3.1問
明るさと色の知覚、空間(運動、奥行き)の知覚、物体・シーンの知覚
音と音声の知覚
味覚、嗅覚、触覚
体性感覚、自己受容感覚、多感覚統合
注意、意識
知覚の可塑性
脳機能計測技術
知覚・認知機能の障害
(2)人の認知・思考の機序及びその障害 ワーキングメモリ、短期記憶、長期記憶
推論(演繹的推論、帰納的推論)
思考、問題解決
意思決定
潜在記憶、プライミング
記憶障害
8 学習及び言語 (1)人の行動が変化する過程 初期学習(刻印付け、臨界期、生得的触発機構) 2%
3.1問
古典的条件付け、オペラント条件付け
恐怖条件付け、嫌悪条件付け
馴化、鋭敏化
般化、弁別、転移
逃避学習、回避学習
試行錯誤、洞察学習、潜在学習、社会的学習(観察、モデリング)
学習の生物学的基礎
(2)言語の習得における機序 意味論・語用論、統語論、音韻論、形態論
認知言語学、社会言語学
ナラティブ、談話、会話、コミュニケーション
N.Chomskyの言語理論(普遍文法、生成文法、言語獲得装置)
言語獲得支援システム
語彙獲得(共同注意、認知的制約)
言語発達過程
失語症(Wernicke失語、Broca失語)
ディスレクシア(読字障害)
9 感情及び人格 (1)感情に関する理論と感情喚起の機序 感情に関する神経科学 2%
3.1問
認知的評価理論、構成主義理論、次元論、基本感情論
感情の進化
感情の機能
感情、情動、気分
(2)感情が行動に及ぼす影響 感情の表出
感情と認知・情報処理
感情と社会・文化
感情の発達、感情の個人差(感情特性)
感情と心身の健康
感情制御
感情と動機づけ
(3)人格の概念及び形成過程 人格、パーソナリティ、性格、気質
状況認知感情行動
状況論、相互作用論、社会的認知理論
一貫性論争(人間ー状況論争)
人格の形成過程(連続性と変化、遺伝要因、環境要因)
(4)人格の類型、特性 類型論、特性論
5因子モデル
語彙アプローチ、ナラティブ・アプローチ、人間心理学的アプローチ、個人差、測定、検査、尺度、アセスメント
パーソナリティ障害
10 脳・神経の働き (1)脳神経系の構造と機能 中枢神経(ニューロン、シナプス、グリア、脳脊髄液)、抹消神経 2%
3.1問
機能局在(大脳皮質、辺縁系、視床、視床下部)
自律神経(交感神経、副交感神経)
睡眠、摂食行動、情動行動、性行動、サーカディアンリズム
神経伝達物質(受容体、グルタミン酸、GABA、アセチルコリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン、オピオイド類)
(2)記憶、感情等の生理学的反応の機序 意識、知覚、記憶、感情
体温、皮膚電位図、筋電図、心電図
脳波、事象関連電位
局所脳血流変化
(3)高次脳機能の障害と必要な支援 失語、失行、失認
記憶障害、遂行機能障害、注意障害、社会的行動障害
高次脳機能障害の原因
リハビリテーション、生活訓練、就労移行支援
11 社会及び集団に関する心理学 (1)対人関係並びに集団における人の意識及び行動についての心の過程 個人内過程、集団過程 2%
3.1問
コミュニケーション、ソーシャル・スキル対人ストレス
親密な対人関係
社会的影響
社会的ジレンマ、社会的アイデンティティ
ソーシャルネットワーク、ソーシャル・サポート
集合現象
集団、組織
(2)人の態度及び行動 社会的自己、自己過程、態度、帰属
社会的感情、社会的動機
社会的認知、対人認知、印象形成、社会的推論
対人行動、対人的相互作用
(3)家族、集団及び文化が個人に及ぼす影響 結婚、夫婦関係、家族関係
育児、養育信念、家族の情動的風土
不適切な養育
家庭内暴力、夫婦間暴力<DV、IPV>
家族システム論
家族療法
生態学的システム論
個人主義、集団主義、文化的自己観
異文化適応、異文化間葛藤
12 発達 (1)認知機能の発達及び感情・社会性の発達 J.Piagetの発達理論、L.S.Vygotskyの発達理論 5%
7.7問
知能指数、知能の構造(多重知能)
乳児に対する実験法(選好注視法、馴化・脱馴化法、期待違反法)
心の理論、メンタライゼーション
共感性、向社会的行動、協調性
感情制御、自己制御
道徳性、規範意識
実行機能
素朴理論
感情知性
(2)自己と他者の関係の在り方と心理的発達

アタッチメント、内的作業モデル
気質と環境
相互規定的作用モデル<transactional model>
社会化と個性化
対人関係の発達(仲間関係、友人関係、異性関係)
自己概念、自己意識、自我同一性
ジェンダーとセクシャリティ(性的指向、性自認)
向社会性、非社会性、反社会性
(3)生涯における発達と各発達段階での特徴 生涯発達の遺伝的基盤
ライフサイクル論
胎児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、中年期、老年期
恋愛、結婚、家族形成
職業意識とライフコース選択
親としての発達
中年期危機
生成継承性<generativity>
(4)非定型発達 神経発達症群/神経発達障害群
自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害<ASD>
注意欠如多動症/注意欠如多動性障害<AD/HD>
限局性学習症/限局性学習障害<SLD>
発達性協調運動症/発達性協調運動障害
Asperger症候群
知的能力障害
アタッチメント障害
早産、低出生体重児
成長障害<FTT>(器質性、非器質性)
非定型発達に対する介入及び支援
(5)高齢者の心理社会的課題と必要な支援 平均寿命、健康寿命、加齢のメカニズム
加齢による心身機能の変化、終末低下
社会的離脱、活動持続、補償を伴う選択的最適化
喪失と悲嘆、独居・孤独、社会的サポート(ソーシャルコンボイ)
認知症、日常生活動作<ADL>、介護、被介護
生活の質[quality of life<QOL>]、ウェルビーイング、エイジングパラドックス<aging paradox>
サクセスフルエイジング(高齢者就労、社会的参加)
13 障害者(児)の心理学 (1)身体障害、知的障害及び精神障害 国際障害分類<ICIDH>、国際生活機能分類<ICF> 3%
4.6問
精神疾患の診断分類・診断基準<ICD-10、DSM-5>
アセスメント
発達障害
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律<障害者総合支援法>、発達障害者支援法、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律<精神保健福祉法>
(2)障害者(児)の心理社会的課題と必要な支援 障害者(児)の基本的権利、合理的配慮
リハビリテーション
療育、特別支援教育
就労支援、ソーシャル・スキルズ・トレーニング<SST>
応用行動分析、認知行動療法、TEACCH
ペアレントトレーニング
14 心理状態の観察及び結果の分析 (1)心理的アセスメントに有用な情報(生育歴や家族の状況等)とその把握の手法等 テストバッテリー、アセスメント 8%
12.3問
ケース・フォーミュレーション
機能分析
インフォームド・コンセント
診断的評価、精神疾患の診断分類・診断基準<ICD-10、DSM-5>
半構造化面接
インテーク面接、査定面接
司法面接
生物心理社会モデル[biopsychosocial model<BPS>]
(2)関与しながらの観察  
(3)心理検査の種類、成り立ち、特徴、意義及び限界 自然観察法、実験観察法
質問紙法、投影法、描画法、作業検査法、神経心理学的検査
知能検査
発達検査
(4)心理検査の適応、実施及び結果の解釈  実施上の留意点
(5)生育歴等の情報、行動観察、心理検査の結果等の統合と包括的な解釈  
(6)適切な記録、報告、振り返り等 アセスメント結果のフィードバック
15 心理に関する支援(相談、助言、指導その他の援助) (1)代表的な心理療法並びにカウンセリングの歴史、概念、意義及び適応 心理療法 6%
9.2問
精神力動理論、認知行動理論、人間性アプローチ、集団療法
(2)訪問による支援や地域支援の意義 アウトリーチ(多職種による訪問支援)
緩和ケア、終末期ケア(グリーフケアを含む。)
自殺予防
災害時における支援
地域包括ケアシステム
コミュニティ・アプローチ、コンサルテーション
(3)要支援者の特性や状況に応じた支援方法の選択、調整 援助要請
カウンセリング、転移、逆転移
エビデンスベイスド・アプローチ
生物心理社会モデル[biopsychosocial model<BPS>]
エンパワメント
ナラティブ・アプローチ、ストレングス
(4)良好な人間関係構築のためのコミュニケーション 共感的理解、傾聴、作業同盟
(5)心理療法及びカウンセリングの適用の限界 効果研究、メタ分析
動機づけ面接
負の相補性<negative-complementarity>
(6)要支援者等のプライバシーへの配慮 個人情報の保護に関する法律<個人情報保護法>、個人の尊厳と自己決定の尊重、インフォームド・コンセント
16 健康・医療に関する心理学 (1)ストレスと心身の疾病との関係 生活習慣と心の健康(生活習慣病、ストレス反応)、ライフサイクルと心の健康 9%
13.9問
ストレス症状(うつ症状、依存、燃え尽き症候群<バーンアウト>を含む。)
心身症(タイプA型行動パターン、アレキシサイミア(失感情症)を含む。)
予防の考え方(Caplanモデル)
(2)医療現場における心理社会的課題と必要な支援 精神疾患
遺伝性疾患、遺伝カウンセリング
がん、難病
後天性免疫不全症候群<AIDS>
医療倫理患者安全
チーム医療と多職種連携の実践
リエゾン精神医学<精神科コンサルテーション>
QOL<quality of life>
(3)保健活動における心理的支援 発達相談
うつ、自殺対策、職場復帰支援
依存症(薬物、アルコール、ギャンブル等)
認知症高齢者
ひきこもり
(4)災害時等の心理的支援 心理的応急処置<サイコロジカル・ファーストエイド>
心のケアチーム、災害派遣精神医療チーム<DPAT>
支援者のケア
17 福祉に関する心理学 (1)福祉現場において生じる問題とその背景 福祉の基本理念 9%
13.9問
少子高齢化、貧困
知的障害、身体障害、精神障害
要保護児童、養育困難
児童虐待の種類(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待)
夫婦間暴力<DV、IPV>
認知症、軽度認知障害[mild cognitive impairment<MCI>]
高齢者虐待、エイジズム<ageism>
高齢者の心理(認知の予備力<cognitive reserve>、エイジング・パラドックス<aging paradox>、高齢者の意思決定と詐欺被害、「こころ」の加齢モデル)
(2)福祉現場における心理社会的課題と必要な支援方法 愛着形成の阻害、誤学習、衝動制御困難、感情調節困難
心的外傷後ストレス障害<PTSD>、解離、喪失、二次障害
子育て支援、環境調整、虐待への対応、社会的養護、里親、養子縁組
障害受容、障害者支援、合理的配慮、共生社会、ノーマライゼーション
アドバンス・ケア・プランニング<ACP>人生会議
統合的心理療法、心理教育
専門職・行政・団体等の役割と連携
(3)虐待、認知症に関する必要な支援 包括的アセスメント、リスクアセスメント
生活の中の治療被虐待児への心理療法
親子関係調整、家族支援、家族再統合
アウトリーチ(多職種による訪問支援)
認知症の行動・心理症状[behavioral and psychological symptoms of dementia<BPSD>]
高齢者に関する心理検査改訂長谷川式簡易知能評価スケール<HDS-R>精神状態短時間検査-改訂日本版<MMSE-J>clinical dementia rating<CDR>
認知症の人に対する心理支援(回想法・ライフレビュー、応用行動分析的アプローチ、認知リハビリテーション、認知機能の活性化、診断前後の支援、認知症の予防と共生)
関係者に対する心理支援(家族介護者・介護職への支援、養護者・養介護施設従事者等への支援)
18 教育に関する心理学 (1)教育現場において生じる問題と背景 動機づけ 9%
13.9問
自己効力感
原因帰属
適性処遇交互作用
学力、学習方略、アクティブラーニング
不登校、いじめ、非行
生徒指導、進路指導、キャリアガイダンス、学校文化教師-生徒関係
(2)教育現場における心理社会的課題と必要な支援 特別支援教育
スクールカウンセリング
教育関係者へのコミュニケーション、コラボレーション
学校におけるアセスメント
学校危機支援
チーム学校
学生相談
教育評価
19 司法・犯罪に関する心理学 (1)犯罪、非行、犯罪被害及び家事事件に関する基本的事項 犯罪、少年非行 5%
7.7問
犯罪予防再犯予防
犯罪捜査場面における心理学
裁判員裁判
医療観察制度
犯罪被害者支援
面会交流
(2)司法・犯罪分野における問題に対して必要な心理的支援 非行・犯罪の理論
非行・犯罪のアセスメント
施設内処遇と社会内処遇
反抗挑発症/反抗挑戦性障害素行症/素行障害、反社会性パーソナリティ障害
被害者の視点を取り入れた教育
動機づけ面接法
司法面接
20 産業・組織に関する心理学 (1)職場における問題に対して必要な心理的支援


過労死・過労自殺、ハラスメント、労働災害 5%
7.7問
職場復帰支援、障害者の就労支援
キャリア形成、キャリア支援
働き方改革、ダイバーシティ、ワークライフバランス、両立支援(仕事と家庭、治療と仕事)、ワーク・エンゲイジメント
労務管理でのコンサルテーション
職場のメンタルヘルス対策
ストレスチェック制度
(2)組織における人の行動 リーダーシップ
安全文化
動機づけ理論
組織風土と文化
21 人体の構造と機能及び疾病 (1)心身機能、身体構造及びさまざまな疾病と障害 解剖学、生理学 4%
6.2問
加齢(身体、心理、精神機能の変化)
主要な症候(めまい、倦怠感、呼吸困難等)
(2)心理的支援が必要な主な疾病 がん、難病
遺伝性疾患
後天性免疫不全症候群<AIDS>
脳血管疾患
脳卒中後遺症、循環器疾患、内分泌代謝疾患
依存症(薬物、アルコール、ギャンブル等)
移植医療、再生医療
サイコオンコロジー<精神腫瘍学>
緩和ケア、終末期ケア(グリーフケアを含む。)
22 精神疾患とその治療 (1)代表的な精神疾患の成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援 主な症状と状態像(抑うつ、不安、恐怖、幻覚、妄想等) 5%
7.7問
精神疾患の診断分類・診断基準<ICD-10、DSM-5>
症状性を含む器質性精神障害(F0、ICD-10のコード番号、本中項目において以下同じ。)
精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F1)
統合失調症、統合失調型障害及び妄想性障害(F2)
気分(感情)障害(F3)
神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(F4)
生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群(F5)
成人のパーソナリティ及び行動の障害(F6)
精神遅滞[知的障害](F7)
心理的発達の障害(F8)
小児期及び青年期に通常発症する行動並びに情緒の障害特定不能の精神障害(F9)
行動観察、評定尺度
知能検査、神経心理学的検査、脳波検査、神経画像検査、発達検査、認知機能検査
薬物療法、作業療法、心理療法
地域移行、自助グループ
アドヒアランス
(2)向精神薬をはじめとする薬剤による心身の変化 薬理作用
薬物動態
有害事象、副作用(錐体外路症状、抗コリン作用、依存耐性、賦活症候群等)
向精神薬(抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗精神病薬、気分安定薬、抗認知症薬、精神刺激薬等)
薬剤性精神障害
(3)医療機関への紹介 精神科等医療機関へ紹介すべき症状
23 公認心理師に関係する制度 (1)保健医療分野に関する法律、制度 医療法、医療計画制度、診療録保険診療制度 6%
9.2問
高齢者の医療の確保に関する法律
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律<精神保健福祉法>
自殺対策基本法
健康増進法
地域保健法、母子保健法
民法(説明義務、注意義務、過失)
医療保険制度、介護保険制度
医療の質、医療事故防止、院内感染対策
(2)福祉分野に関する法律、制度 児童福祉法
老人福祉法
児童虐待の防止等に関する法律<児童虐待防止法>
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律<障害者総合支援法>、障害福祉計画
発達障害者支援法
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律<障害者差別解消法>
障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律<障害者虐待防止法>
障害者基本法
高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律<高齢者虐待防止法>
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律<DV防止法>
生活保護法
生活困窮者自立支援法
成年後見制度の利用の促進に関する法律
配偶者暴力相談センター、児童相談所、福祉事務所、地域包括支援センター
(3)教育分野に関する法律、制度 教育基本法、学校教育法
学校保健安全法
いじめ防止対策推進法
教育相談所、教育支援センター
特別支援教育、通級
(4)司法・犯罪分野に関する法律、制度 刑事法刑事司法制度少年司法制度
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律<医療観察法>
犯罪被害者等基本法
更生保護制度
裁判員裁判
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約<ハーグ条約>
家庭裁判所、保護観察所、刑事施設、少年鑑別所、少年院、児童自立支援施設
更生保護施設、地域生活定着支援センター、自立支援ホーム、自立更生促進センター
(5)産業・労働分野に関する法律、制度 労働基準法、労働安全衛生法、労働契約法、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律<労働者派遣法>
障害者の雇用の促進等に関する法律<障害者雇用促進法>
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律<男女雇用機会均等法>
労働者の心の健康の保持増進のための指針
心理的負担による精神障害の認定基準
職場におけるハラスメント防止対策、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律<労働施策総合推進法>
24 その他(心の健康教育に関する事項等) (1)具体的な体験、支援活動の専門知識及び技術への概念化、理論化、体系化   2%
3.1問
(2)実習を通じた要支援者等の情報収集、課題抽出及び整理  
(3)心の健康に関する知識普及を図るための教育、情報の提供 健康日本21、こころの健康対策[うつ病、薬物依存症、心的外傷後ストレス障害<PTSD>]
自殺の予防
心理教育
支援者のメンタルヘルス

【必見】第4回公認心理師試験の「受験の手引き」をいち早く解説

【必見】第4回公認心理師試験の「受験の手引き」をいち早く解説

2021年4月6日(火)から第4回公認心理師試験の受験の手引の請求が開始されます。

この記事を書いている2021年3月24日(水)時点では受験の手引きは手に入れることができませんが、第4回公認心理師試験「受験の手引き」(デジタルブック)はすでに公開されています。

そのため、この記事では第4回公認心理師試験「受験の手引き」(デジタルブック)をもとに解説を行います。

この記事を読むことで公認心理師の受験の手引きとは何なのか、受験の手引きを手にする前に内容を掴むことができます。

公認心理師試験の「受験の手引き」とは

公認心理師試験の「受験の手引き」とは

公認心理師の受験の手引きとは、受験申込の詳細について記載されたものです。

「第4回公認心理師試験受験申込書」、受験手数料の「3連式払込用紙」等受験申込みに必要な書類は受験の手引きに添付されます。

そのため、第4回公認心理師試験を受験する人は必ず受験の手引きを請求する必要があります。

受験の手引きは、日本研修センターのホームページから申し込むことができます。

ちなみに、第4回公認心理師試験の受験の手引きはインターネット経由による請求インターネット以外による請求の2つがあります。

まず、インターネット経由による請求の場合について解説します。

インターネット経由による請求の請求期間は2021年4月6日(火)~2021年6月11日(金)、発送は4月中旬頃より順次発送開始予定となっています。

「受験の手引き」配送手数料として、1部700円が必要です。

この配送手終了の入金完了日によって、「受験の手引き」が届かない場合の対応が別れます(詳しくは下図)。

インターネット申込の場合の発送予定

続いて、インターネット以外による請求の場合について解説します。

インターネット以外による請求の請求申込期間は、2021年4月12日(月)以降となっています。

こちらは郵送による請求と直接受取(2021年4月19日(月)~2021年6月25日(金)、平日10:00~17:00)の2つの方法があります。

こちらの方法であれば、2021年6月11日(金)以降であっても請求することができますので、インターネット経由での請求期間を過ぎてしまってもこの方法でギリギリ間に合う人もいるでしょう(笑)

詳しくは日本心理研修センターの「受験の手引き」一括請求方法をご覧ください。

第4回公認心理師試験の受験の手引きで明らかになったこと

第4回公認心理師試験の受験の手引きで明らかになったこと

全体スケジュール

第4回公認心理師試験の受験申込受付期間から合格発表までのスケジュールが明らかになりました。

全体スケジュール

受験申込受付期間が2021年5月24日(月)から2021年6月25日(金)(消印有効)なので、忘れずに申し込みしましょう。

試験日時、試験範囲等

第4回公認心理師試験の試験日時、試験範囲等が明らかになりました。

試験日時、試験範囲等

これまでの公認心理師試験と試験範囲、試験時間に変わりはありません。

試験地と試験会場

第4回公認心理師試験の試験地と試験会場が明らかになりました。

試験地と試験会場

これまでの公認心理師試験から試験地に変更はありません。

受験申込みと受験手数料

第4回公認心理師試験の受験申込みと受験手数料が明らかになりました。

受験申込みと受験手数料

必ず簡易書留で郵送することに注意しましょう。

ちなみに、受験手数料に変更はありません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

公認心理師試験の受験の手引きとは何なのか、第4回公認心理師試験の受験の手引きで明らかになったことを解説しました。

まとめると

公認心理師の受験の手引きとは

  • 公認心理師の受験の手引きとは、受験申込の詳細について記載されたもの
  • 公認心理師受験者は、必ず受験の手引きを請求しないと受験できない

第4回公認心理師の受験の手引きで明らかになったこと

  • 全体スケジュール(詳しくは本文参照)
  • 試験日:2021年9月19日(日)
  • 試験範囲:公認心理師として具有すべき知識及び技能
  • 試験地:北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、福岡県
  • 受験申込み:2021年5月24日(月)から2021年6月25日(金)(消印有効)まで
  • 受験手数料:28,700円

いよいよ試験が近づいてきました。

本格的に試験勉強をはじめましょう。

【2020年】第3回公認心理師試験の合格率と今後を予測してみた

【2020年】第3回公認心理師試験の合格率と今後を予測してみた

第3回公認心理師試験の合格率について知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか?

また、今後の合格率がどうなっていくのか知りたい人もいると思います。

この記事を読むことで第3回公認心理師試験の合格率、さらに今後の合格率がどうなっていくのかが分かります。

第3回公認心理師試験の合格率

第3回公認心理師試験の合格率

第3回公認心理師試験については、次のような結果でした。

第3回公認心理師試験の合格率

受験者数が13,629人、合格者数が7,282人、全体の合格率は53.4%でした。

受験区分別の受験者数、合格者数、合格者の割合、合格率は次の通りです。

第3回公認心理師試験の受験区分毎の合格率

受験区分別ではD1の合格率が55.4%、D2が61.6%、Eが81.0%、Gが50.0%でした。

ここからは、受験区分毎に思ったことを書いていきます。

まず、Gルートの受験者数が約10,000人というのは意外でした!

Gルートについては、第2回試験不合格者が6,583人、新たに現任者講習会を受講した人が約9,000人だったので、合わせると15,500人ぐらいになります。

しかし、その3分の2にあたる10,400人ぐらいしか受験していません。

コロナの影響などの理由で受験しなかった受験生が約5,000人いることになります。

また、特筆すべきは受験区分Eの合格率が81%と非常に高くなっています!

受験区分Eは大学院を修了したばかりなので 、合格率が高くなっていると考えられます。

ただ、大学院を修了したばかりで合格率が81%というのは、同じく大学院修了後に試験を受ける臨床心理士試験と比べても高すぎる気がします。

臨床心理士試験の合格率は、毎年60%ぐらいです。

そう考えると、合格率81%というのは第1回公認心理師試験並みに高い合格率です。

さらに、Fルートの受験者がいないというのも意外でした!

Fルートは、人数は少なくても受験者はいると思っていたので・・・

全体の合格率、区分別の合格率のいずれを見ても第2回公認心理師試験よりも難易度は低い試験であったことが分かります。

第2回公認心理師試験の合格率については【2019年】第2回公認心理師試験の合格率から分かることで詳しく解説しています。

【予測】公認心理師の合格率はどうなっていくのか?

【予測】公認心理師の合格率はどうなっていくのか?

第4回公認心理師試験の合格率は移行期間終了後を見据えるか現任者を優遇するかで決まる

以前、【2019年】第2回公認心理師試験の合格率から分かることで第2回公認心理師試験の合格率が移行期間中の基準になるという話をしました。

しかし、第3回試験の合格率は第2回に比べて高くなっています。

この2回の試験から、今後の試験について次の2つのことが考えられます。

1つ目は第2回試験のように移行期間終了後を見据えて、大学院修了生が60%の合格率になるような試験にすることです。

実際に第2回試験では大学院修了生であるD2ルートの合格率は、58.8%でした。

この場合、第2回試験のように難易度が高くなります。

もう1つは第3回試験のように移行期間中は、難易度を下げて現任者がある程度合格できるような試験にすることです。

実際に第3回試験ではGルートの合格率は50.0%で第2回試験の41.8%に比べ高くなっています。

ただし、この場合は大学院修了生(第3回試験のEルート)の合格率が非常に高くなります。

試験運営者として移行期間終了後を見据えた試験にするのか、それとも移行期間中は現任者が合格しやすい試験にするのかということです。

個人的には公認心理師が社会的に価値ある資格であるためには、第2回試験のような難易度にする必要があると思っています。

理由は、第3回試験の難易度であれば大学院修了生(Eルート)であればほとんどの人が合格できる資格となってしまい、資格としての価値が下がるからです。

Gルートの合格率が全体の合格率になる

今後の公認心理師試験ではD1ルート、D2ルートの受験生が減っていきます。

第4回試験では第3回試験で不合格だった人が受験するとしてD1ルートが約600人、D2ルートが約300人になります。

D1ルート、D2ルートの受験生は減り続けます。

Eルートも第3回試験並みの受験生が新規参入すると考えると、第4回試験では新たに約900人が受験することになるでしょう。

今回不合格だった約200人も受験すると考えると、Eルートの受験生は約1100人になります。

Gルートについては、毎年、現任者講習会を受講して新規に受験する人が一定数います。

現任者講習会については【必須】現任者は公認心理師現任者講習の受講が必須という話で解説しています。

第4回試験に向けた令和2年度開催公認心理師現任者講習会のすべての定員を合計すると、約17,000人でした。

第3回試験で不合格だった約5,200人も第4回試験を受験すると考えると、受験生は約22,200人になります。

また、第3回試験を受験しなかった約5,000人も第4回試験を受験すると考えると、Gルートの受験生は約27,200人になります。

まとめると第4回公認心理師試験の受験者数はD1が600人、D2が300人、Eが1,100人、Gが27,200人となります。

これまで以上に受験生のほとんどがGルートであり、Gルートの合格率が全体の合格率に及ぼす影響が大きくなます。

その結果、Gルートの合格率≒全体の合格率になります。

公認心理師の合格率がどうなっても現任者が受験できるのはあと2回

公認心理師の合格率がどうなっても早めの受験が有利

ここまで解説しておきながら、合格率がどうなるかはあくまで予測に過ぎません。

そして、合格率がどうなろうと現任者(Gルート)が受験できるのはあと2回です。

また、公認心理師試験において大学・大学院レベルの心理学は必須で習得に時間が掛かります。

このことについて深掘りします。

公認心理師試験に大学や大学院レベルの心理学は必須

これまでの試験では、現任者講習会を受講して少し勉強しさえすれば割と簡単に公認心理師資格を取得できると思っている人もいたかもしれません。

しかし、第3回公認心理師試験の合格率を見てもらえれば分かるように、簡単に合格できる試験ではありません。

半分近くの人が落ちる試験です。

現任者(Gルート)に限って言えば、半分の人が落ちる試験です。

第3回試験でGルートの受験者が減ったのは、コロナの影響だけでなく第2回試験の難易度を見て受験を諦めてしまった人もいるかもしれません。

公認心理師試験では、大学や大学院レベルの心理学は必須だと考えています。

もちろん、それ以外の知識も必要です。

しかし、まず大学や大学院レベルの心理学という土台があって、その上にそれ他の知識も必要だと考えています。

そして、大学や大学院レベルの心理学はすぐに習得できるものではありません。

大学と大学院で習得する6年分の知識を習得するのには、それなりに時間が掛かります。

そのため、早めに準備することをおススメします。

お仕事などで勉強時間を確保することが難しい場合は、予備校を利用してみても良いでしょう。

現任者が受験できるのは、第5回公認心理師試験まで

現任者がGルートで受験できるのは、第5回公認心理師試験までです。

現任者講習会については、令和3年度開催公認心理師現任者講習会が最後となります。

この機会を逃すと、Gルートでの受験はできなくなります。

もちろん、移行期間が終わった後でもAルートで公認心理師資格を取得することはできます。

しかし、その場合は大学と大学院の合わせて6年分の学費と時間が必要です。

そう考えると、第4回試験で合格を目指した方が良いと思います。

仮に第4回試験で不合格でも第5回試験を受験することができます。

一方、第5回試験で落ちるとGルートで公認心理師試験を受験することは二度とできません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

第3回公認心理師試験の合格率、今後の合格率がどうなっていくのか、公認心理師試験の合格率がどうなっても現任者が受験できるのはあと2回であることを解説しました。

まとめると

第3回公認心理師試験の合格率

  • 区分D1が55.4%、D2が61.6%、Eが81.0%、Gが50.0%
  • 全体で53.4%

公認心理師の合格率はどうなっていくのか?

  • 第4回公認心理師試験の合格率は移行期間終了後を見据えるか現任者を優遇するかで決まる
  • Gルートの合格率が全体の合格率になる

公認心理師試験の合格率がどうなっても現任者が受験できるのはあと2回

  • 大学や大学院レベルの心理学は必須で、習得に時間が掛かる
  • 現任者が受験できるのは第5回試験までなので、第4回試験で合格を目指すのがおススメ

【疑問】看護師でも公認心理師になれるのかお答えします

「看護師でも公認心理師になれるって聞いたけど、本当なのかなぁ・・・」

「そもそも看護師に公認心理師試験の受験資格があるの?」

こういう疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、看護師でも公認心理師になれるのかについて解説します。

結論から言うと、看護師でもいくつかの条件を満たすことで公認心理師になることができます。

この記事を読むことで看護師でも公認心理師になれるのか、看護師が公認心理師になる方法、看護師が公認心理師試験に合格する方法について解説します。

看護師でも公認心理師になることができる

看護師でも公認心理師になることができる

冒頭で話したようにいくつかの条件を満たせば、看護師でも公認心理師になることはできます。

では、実際にどのくらいの看護師が公認心理師になっているのでしょうか?

日本心理研修センターの【第1回~第4回公認心理師試験】受験申込時における調査の集計結果についてに受験者の保有資格について掲載されています。

下記の表は、第4回公認心理師試験の受験者に行った調査結果です。

第4回公認心理師試験受験者の保有資格

保有資格は教員(幼稚園~高等学校)、社会福祉士、精神保健福祉士、看護師、介護福祉士、保育士、臨床心理士の順となっています。

第4回公認心理師試験では教員(幼稚園~高等学校)が1番多くなっています。

看護師は2,462人となっていて、全体の12.90%を占めています。

下記の表は、第3回公認心理師試験の受験者に行った調査結果です。

第3回公認心理師試験受験者の保有資格

保有資格は教員(幼稚園~高等学校)、臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士、看護師、保育士の順となっています。

第3回公認心理師試験では教員(幼稚園~高等学校)が1番多くなっています。

看護師は1,303人となっていて、全体の9.55%を占めています。

下記の表は、第2回公認心理師試験の受験者に行った調査結果です。

第2回公認心理師試験受験者の保有資格

保有資格は教員(幼稚園~高等学校)、臨床心理士、精神保健福祉士、社会福祉士、保育士、看護師の順となっています。

第2回公認心理師試験では教員(幼稚園~高等学校)が臨床心理士を抜いて、1番多くなっています。

看護師は902人となっていて、全体の6.15%を占めています。

下記の表は、第1回公認心理師試験の受験者に行った調査結果です。

第1回公認心理師試験受験者の保有資格

保有資格は臨床心理士、教員(幼稚園~高等学校)、精神保健福祉士、教員(大学・大学院)、臨床発達心理士、社会福祉士、保育士、学校心理士、特別支援教育士、看護師の順となっています。

第1回公認心理師試験では、臨床心理士が圧倒的に多いですね。

看護師は857人となっていて、全体の2.38%を占めています。

これらの調査結果が示しているのは、正確に言うと看護師ではなく看護師資格を持つ人です。

しかし、この中には普段から看護師として働いている人もたくさんいるでしょう。

看護師が公認心理師になる方法

看護師が公認心理師になる方法

看護師が公認心理師になる方法について解説します。

これは看護師に限らず、公認心理師になる方法は誰でも同じです。

①受験資格を取得する

公認心理師になるには公認心理師試験に合格する必要があります。

しかし、公認心理師試験は誰でも受験できるわけではありません。

まずは公認心理師試験の受験資格を取得する必要があります。

公認心理師の受験資格については【完全】公認心理師の受験資格8パターン全てを分かりやすく解説をご覧ください。

看護師が公認心理師試験を受験する場合、Gルート(現任者)で受験する人が多いと思います。

その場合、Gルートでの受験資格を取得する必要があります。

ちなみに、Gルートでの受験に職種は関係ありません。

日本心理研修センターのホームページにも、下記の記載があります。

Q どのような職種だと現任者として認められますか。

A 現任者の要件に職種は含まれていません。業務内容について,勤務先の証明権限のある代表者が,公認心理師法第2条第1号,第2号及び第3号の内容があると判断して,受験申込時の実務経験証明書に証明した場合,職種によらず,現任者としての可能性はあります。

日本心理研修センター:Q&A

つまり、看護師だから受験できるとか受験できないとかいう話ではないのです。

Gルートの要件を満たしていれば、誰でも受験資格を取得できます。

公認心理師のGルートについては【明解】公認心理師のGルートについて分かりやすく解説をご覧いただくのが良いと思います。

②公認心理師試験に合格する

当たり前ですが、受験資格を取得した後は公認心理師試験に合格する必要があります。

ちなみに、第4回公認心理師試験の合格率は全体で58.6%、Gルートは55.7%でした。

この合格率から、決して簡単に合格できる試験ではないことが分かると思います。

公認心理師試験の合格率については【衝撃】第4回公認心理師試験の合格率が明らかに【第5回も予測】で詳しく解説しています。

③公認心理師登録簿に登録される

時々、勘違いしている人が多い気がするのですが、公認心理師試験に合格したからといって「公認心理師」を名乗れるわけではありません。

公認心理師登録簿に登録されて、はじめて「公認心理師」を名乗ることができます。

これでようやく、公認心理師になることができます。

看護師が公認心理師試験に合格する方法

看護師が公認心理師試験に合格する方法

ここでは、普段は看護師として働いている人が公認心理師試験に合格する方法について解説します。

大学・大学院レベルの心理学をマスターする

公認心理師試験では、大学・大学院レベルの心理学は必須です。

現在、公認心理師試験は移行期間中です。

移行期間が終わればメインルートとなると言われているのが、Aルートです。

Aルートは、大学卒業と大学院修了が必須です。

つまり、公認心理師にはそれぐらいのレベルが求められています。

なので、どの程度心理学を習得しているかは個人差があると思いますが、大学・大学院レベルの心理学は最低限必要だと思っておいて間違いはないでしょう。

看護師の強みを活かす

これは完全にイメージなのですが、看護師は脳や神経や人体については詳しいのではないでしょうか。

分野で言えば、「神経心理学(脳・神経)」や「人体、精神疾患とその治療」あたりですかね。

看護師のカリキュラムを知らないので、完全なイメージです。

間違っていたらすみません^^;

臨床心理士には、これらの分野を苦手とする人も多いです。

そのため、試験ではこれらの分野を得点源としたら良いと思います。

また、これらの分野の勉強にあまり時間を割かなくて良いのではないでしょうか。

試験勉強に最低半年は必要

大学や大学院で心理学を学んでいない人が公認心理師試験に合格するには、試験勉強に時間を掛ける必要があります。

私は公認心理師試験対策講座の講師をしていますので、これまでいろいろな受講生を見てきました。

その経験から、やはり試験勉強に最低半年ぐらいは必要だと思っています。

もちろん個人差がありますので、あくまで一般的な目安となります。

公認心理師試験の試験対策については【決定】公認心理師の試験対策はこうすべし【真似してOK】で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

まとめ

いかがでしょうか?

看護師が公認心理師になることができるのかについて解説しました。

看護師でも条件を満たせば、公認心理師になることができます。

もちろん、公認心理師資格を取得後も自己研鑽が必要なことは言うまでもありません。

患者さんにとって、心理面もケアできる看護師というのはとても喜ばれると思います。

また、病院側から見てもそのような患者さんに喜ばれる看護師は重宝されるはずです。

公認心理師資格を取得して看護師からカウンセラーへとキャリアの幅も広がり、人生の自由度が高まります。

現在、看護師として働いている方もこの機会に公認心理師を目指してみてはいかがでしょうか?

【推奨】公認心理師の模試の選び方・受け方・使い方【現役講師が解説】

【推奨】公認心理師の模試の選び方・受け方・使い方【現役講師が解説】

「そろそろ公認心理師試験が近づいてきたから、模試を受けようかな・・・」

「色々な模試があるけど、どれを選べば良いか悩むなぁ・・・」

「模試を受けたけど受けっぱなしで、この後どうすれば良いんだろう・・・」

こんな悩みを持っている人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は公認心理師の模試の選び方、受け方、有効な使い方について解説します。

この記事を読むことで公認心理師の模試選びで失敗することなく、より本番を想定して取り組むことができ、模試を有効活用できるようになります。

公認心理師の模試の選び方

公認心理師の模試の選び方

まず、模試の選び方について解説します。

問題形式が本番と同じ

「問題形式が本番と同じって、どの模試もそうなっているんじゃないの?」と思う人も多いかもしれません。

ほとんどの模試で本番と同じ問題形式になっていると思います。

具体的には一般問題の数、事例問題の数、試験時間などが本番と同じということですね。

では、なぜ問題形式を気にするのか?

それは、公認心理師試験ではなく臨床心理士試験の模試になりますが、本番と全く違う模試を受けたことがあるからです。

私が受けた本番の臨床心理士試験は、100問中35問が事例問題でした。

しかし、その模試では事例問題が15問ぐらいだったのです。

当然、模試では時間が余りまくっていました(笑)

その時は会場で受験したので、試験途中に退席する人がたくさんいました。

しかし、実際の本番はどうだったのかというと、全くといっていいほど時間が足りずにかなり焦ったのを覚えています。

なので、本番と同じ問題形式の模試を受けることをおススメします。

問題の難易度が本番と同じ

これは模試を受ける目的によりますし、実際に模試を受けてみないと分からないのですが、なるべく本番と同じ難易度の方が良いでしょう。

多くの人は本番を想定して模試を受けるでしょうから、本番と比べてあまり簡単すぎず、難しすぎずといった感じの模試がベストです。

こればっかりは、実際に受けてみないと分かりませんが・・・

解説が詳しい

模試は、解説が詳しいものがおススメです。

模試の中には各問題の各選択肢についての解説が、1行だけのものを見たことがあります。

1行の解説で理解できれば良いのですが、理解できないものも多いと思います。

解説を読んで分からなかった場合は、自分で調べなければなりません。

もちろん、分からないところを自分で調べるというのが勉強であるというのも分かります。

しかし、解説にある程度詳しく書かれてあれば、それを理解して覚えるだけで良いので時間の節約にもなります。

また、その問題のその選択肢についての解説だけではなく、周辺知識も解説してくれていると勉強になります。

なので、なるべく解説が詳しいものをおススメします。

公認心理師の模試の受け方

公認心理師の模試の受け方

次に、模試の受け方について解説します。

自宅 or 会場 or カフェ or 図書館

模試をどこで受けるかですが自宅、会場、カフェ、図書館などが考えられます。

本番はもちろん、静かな試験会場で受験することになります。

本番に近い緊張感を持って模試を受けたい人は、会場で受験するのがおススメです。

また、他人のことが気になる人は、多少騒がしいところで受けてみるのも良いと思います。

その場合は、会場やカフェや図書館ですかね。

他人のことがあまり気にならない人は、自宅でもOKです。

本番と同じ時間に解いてみる

模試は、本番と同じ時間に解いてみることをおススメします。

本番と同じ時間に午前問題を解き、同じ時間にお昼ごはんを食べ、午後問題を解いてみましょう。

本番と同じ時間に解くことによって、その時間にどれくらい頭が回っているか、試験時間は十分か、どれくらいの疲労度なのか等を知ることができます。

特にどれくらい頭が回っているかというのは、本番に合わせて生活リズムを見直すきっかけになります。

模試は本番前に解く人が多いでしょうから、模試を解いた後は本番に合わせた生活リズムにした方が良いです。

ちなみに、公認心理師試験は試験時間が足りなくなるということはあまりないと思います。

また、模試を受けることで疲労度についても体感することができます。

試験は午前、午後ともに2時間ありますから、問題の後半はかなり疲れてくると思います。

その感覚も模試で前もって味わうことができるので、ペース配分の参考にすることができます。

公認心理師の模試の有効な使い方

公認心理師の模試の有効な使い方

最後に、公認心理師の模試の有効な使い方について解説します。

既存知識の確認

模試の有効な使い方の1つは既存知識の確認です。

つまり、知っている知識を問う問題をどのくらいきちんと解けるかを確認しましょう。

すでに知っていた知識を改めて思い出すこともできます。

新しい知識の獲得

模試には、自分の知らない知識を問う問題もあるでしょう。

あるいは、すでに知っている知識を別の視点から問うような問題もあるかもしれません。

そのような問題はできなくても落ち込まず、知らない知識を知ることができてラッキーぐらいに思った方が良いです。

自分で調べる

模試を解いていて分からないキーワードや理論が出てきて場合は、自分で調べましょう。

もちろん解説を読んで理解できれば良いですが、もし理解できなかった場合は自分で手を動かす必要があります。

本やインターネットを使って調べ、頭に入れます。

繰り返し解いて満点が取れるようにする

模試は繰り返しといて、最終的に満点が取れるようにすることをおススメします。

具体的には、模試を解いた日(予備校から成績表が送られてきた日)は、解説を読んで理解し知識を習得します。

そして、翌日にもう一度、全問を時間通りに解いてみます。

このときに、間違った問題や知識の定着が怪しい問題は復習します。

そうすることで、模試の問題は満点が取れるようにします。

さらに、1か月後など時間を空けて再び模試を解いてみます。

このときも、間違った問題や知識の定着が怪しい問題を復習します。

そして、また満点が取れるようにします。

これを繰り返して、本番の試験日には満点が取れる状態にしておくと良いです。

まとめ

いかがでしょうか?

公認心理師の模試の選び方、受け方、使い方について解説しました。

こんなことを言うと元も子もないかもしれませんが、模試を受けなくても合格する人はたくさんいます。

ただ、試験に対する不安が強い人などは模試を受けてみることをおススメします。

また、普段から独学で勉強している人も、模試は受けておいて損はないと思います。

模試の料金は講座に比べるとそんなに高くないので、複数の模試を受けてみるのも良いかもしれません。

【推奨】公認心理師の参考書でおススメを紹介します【現役講師が解説】

【推奨】公認心理師の参考書でおススメを紹介します【現役講師が解説】

「公認心理師試験に役立つ参考書がほしい・・・」

「公認心理師試験に役立つ参考書ってどれを選べば良いんだろう・・・」

ここで言う参考書は、テキストとは区別しています。

テキストは教科書的な本、問題集は問題集、参考書はテキストの補助的な本を考えています。

なので、ここではテキストの補助となるような本を参考書として紹介します。

公認心理師のテキストについては【推奨】公認心理師のテキストでおススメを紹介【現役講師が解説】で解説していますので、ぜひそちらをご覧ください。

公認心理師の問題集については【推奨】公認心理師の問題集でおススメを紹介【現役講師が解説】で解説していますので、ぜひそちらをご覧ください。

この記事を読むことで公認心理師試験に役立つおススメの参考書、そのような参考書の有効な使い方が分かります。

公認心理師の参考書

公認心理師の参考書

まず、公認心理師の参考書としておススメをご紹介します。

DSMー5 精神疾患の分類と診断の手引き

DSMー5は、アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association:APA)が発行している書籍で精神障害の分類と診断のためのマニュアルです。

私が持っているのは、「Mini-D」と呼ばれる小冊子の方です。

私がこの本を知ったのは、確か大学院生のときでした。

臨床心理士試験を受けるときにこの本を買おうか迷いましたが、結局買いませんでした。

第1回公認心理師試験を受験する際にもこの本を買おうか迷いましたが、結局買いませんでした。

ただ、これから公認心理師試験を受験するのであれば間違いなく買いますね。

というのは、第1回公認心理師試験から難易度が上がっていて、DSM-5についても理解していないと解けない問題が出題されているからです。

下記は、第4回公認心理師試験の問13です。

DSMー5の神経発達症群/神経発達障害群に分類される障害として、正しいものを1つ選べ。

① 素行症/素行障害

② 脱抑制型対人交流障害

③ 神経性やせ症/神経性無食欲症

④ 解離性同一症/解離性同一性障害

⑤ 発達性協調運動症/発達性協調運動障害

第4回公認心理師試験問13

正解は、⑤です。

下記は、第4回公認心理師試験の問14です。

DSMー5の心的外傷およびストレス因関連障害群に分類される障害として、正しいものを1つ選べ。

① 適応障害

② ためこみ症

③ 病気不安症

④ 強迫症/強迫性障害

⑤ 分離不安症/分離不安障害

第4回公認心理師試験問14

正解は、①です。

これらについてなんとなく分かる人もいるかもしれません。

しかし、DSMー5を読んでいないとけっこう厳しいのではないかと思います。

また、第4回試験でははじめて事例問題でDSMー5について問う問題が出題されました。

下記は、第4回公認心理師試験の問136です。

20歳の女性A。Aは、無謀な運転による交通事故や自傷行為及び自殺未遂でたびたび救急外来に搬送されている。また、Aは交際相手の男性と連絡が取れないと携帯電話を壁に叩きつけたり、不特定多数の異性と性的関係を持ったりすることもある。現在、救急外来の精神科医の勧めで、公認心理師Bによる心理面接を受けている。初回面接時には、「Bさんに会えてよかった」と褒めていたが、最近では、「最低な心理師」と罵ることもある。Aは、礼節を保ち、にこやかに来院する日もあれば、乱れた着衣で泣きながら来院することもある。心理的に不安定なときは、「みんな死んじゃえ」と叫ぶことがあるが、後日になるとそのときの記憶がないこともある。

 DSMー5の診断基準に該当するAの病態として、最も適切なものを1つ選べ。

① 双極Ⅰ型障害

② 素行症/素行障害

③ 境界性パーソナリティー障害

④ 犯行挑発症/反抗挑戦性障害

⑤ 解離性同一症/解離性同一性障害

第4回公認心理師試験問136

正解は、③です。

DSMー5について問う問題は精神疾患の診断基準に関する問題が多いのですが、第3回公認心理師試験の問88はDSMー5そのものについての問題でした。

精神疾患の診断・統計マニュアル改訂第5版〈DSMー5〉について、正しいものを1つ選べ。

① 機能の全体的評価を含む多軸診断を採用している。

② 次元モデルに基づく横断的症状尺度が導入されている。

③ 強迫症/強迫性障害は、不安症群/不安障害群に分類される。

④ 生活機能を心身機能・身体構造・活動及び参加の3要素で捉えている。

⑤ 分離不安症/分離不安障害は、「通常、幼児期、小児期または青年期に初めて診断される障害」に分類される。

第3回公認心理師試験問88

正解は、②です。

DSM-5は試験対策本のように試験のときだけ役立つものではなく、公認心理師資格を取得後も使う可能性があるため、手元に置いておいて損はないでしょう。

ICDー10 精神および行動の障害-臨床記述と診断のガイドライン-

ICDー10は、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類のことです。

第1回追加試験、第2回試験、第3回試験、第4回試験ではICDー10について問う問題はありませんでした。

しかし、第1回公認心理師試験ではICDー10について問う問題が問35、問48の2問出題されています。

下記は、第1回公認心理師試験の問35です。

ICDー10の解離性(転換性)障害について、誤っているものを1つ選べ。

① 自殺の危険性がある。

② 身体症状を伴う場合がある。

③ 幼少時の被虐待体験が関連している。

④ 自らの健忘には気づいていないことが多い。

⑤ 可能な限り早期に外傷的な記憶に踏み込んで治療すべきである。

第1回公認心理師試験問35

正解は、⑤です。

下記は、第1回公認心理師試験の問48です。

ICDー10の病的窃盗の診断基準及びDSMー5の窃盗症の診断基準のいずれにも含まれないものを1つ選べ。

① 窃盗行為は利得のためではない。

② 窃盗行為に及ぶ前に緊張感が高まる。

③ 窃盗行為に及ぶとき解放感が得られる。

④ 窃盗行為は少なくとも6か月間にわたって起こっている。

第1回公認心理師試験問48

正解は、④です。

これらの問題はICDー10の内容を知らなければ正解するのは難しい問題ではないでしょうか?

ICDー10も試験対策本のように試験のときだけ役立つものではなく、公認心理師資格を取得後も使う可能性があるため、手元に置いておいて損はないでしょう。

精神診療プラチナマニュアルGrande 第2版

こちらは、精神科医の松崎朝樹さんが書かれた本です。

この本は臨床心理士試験、公認心理師試験を受験した後に存在を知り、購入しました。

精神診療プラチナマニュアル第2版には、通常の大きさとGrandeという拡大版の2種類があります。

実はこれまでに紹介したDSMー5とICDー10は本の大きさが小さくて、見づらいと思っていました。

そのため、この本を買う際には拡大版であるGrandeを選びました。

ちなみに、通常版は見たことがないので、実際にどのぐらいの大きさなのかは知りません^^;

DSMー5やICDー10はいかにもマニュアルという感じですが、こちらは実際の現場に即した内容になっています。

この本も公認心理師試験が終わった後にも役立つ場面が多そうです。

特に精神科やクリニックなど医療分野で働く公認心理師にとっては、手元に置いておきたい本でしょう。

公認心理師の参考書の有効な使い方

公認心理師の参考書の有効な使い方

主要な精神疾患について読んでおく

時間があるときに、主要な精神疾患については読んでおくと良いです。

どこまでが主要な精神疾患なのかという話もありますが、最初は統合失調症やASDやADHDなど主要な精神疾患からで良いと思います。

その後、テキストに出てくる精神疾患だったり、問題集や模試で出題された精神疾患について読むという方法でも良いと思います。

最初は読みにくいと感じますが、読み続けることで、ある程度は慣れることができます。

テキストと合わせて参考書として読む

テキストで精神疾患を勉強しているときに、ついでに参考書を読む方法です。

テキストで精神疾患の基礎を勉強しつつ、DSMー5やICDー10の定義も一緒に確認するイメージです。

例えばテキストでASDについて勉強した時に、DSMー5やICDー10のASDの診断基準についても一緒に確認します。

問題を解いて解説を読むときに参考書として読む

DSMー5やICDー10に関する問題を解いた後、実際にDSMー5やICDー10で確認する方法です。

また、DSMー5やICDー10に関する問題に限らず、精神疾患についての問題を解いた後にも解説とともにDSMー5、ICDー10にどのような記述があるのかを確認して理解を深めることができます。

例えば問題集や模試等でパニック障害の問題を解いた後に、解説を読みながらDSMー5やICDー10のパニック障害の診断基準についても一緒に確認します。

まとめ

いかがだったしょうか?

公認心理師試験に役立つ参考書を紹介しました。

テキストや問題集だけでも大変で、これらの本まで勉強する余裕はないのかもしれません。

また、正直、これらの本まで勉強しなくても合格できる人はいると思います。

私も臨床心理士試験、公認心理師試験のときにはここで挙げたすべての参考書を持っていませんでしたが、合格することができました。

ただ、公認心理師試験に万全の態勢で臨みたい人にとっては買っておいて損はないと思います。

何よりも、公認心理師試験が終わった後にも活用できる本です。